SSブログ

地名は誘う。 [路上にて]

地図を眺めていて、あるいは走行中にふと目にした地名が
妙に心に残ることはないだろうか。
私はよくあります。

そこへわざわざ出掛けて行くことはないだろうか。
私は時々あります。

理由?
その名の場所がどんなところなのか見たいから。


という訳で忘れた頃にやってくる路上カテゴリー第二弾。

今回は地名について。

Jina Town.JPG

最初はそのまんま「地名」、と言いたいところだけど、読みは「じな」。
これはだいぶ前に仲間達と寸又峡へ行ったときに見つけたのを、
後日わざわざ再確認しに行った。
年々いろんな事がどうでもよくなってきたが、こういう事に関してはシツコイのである。

るりるり.JPG

別に変わってはいないけど、ちょっといいよねと前から思っていた地名。
「るりこうちょう」と読みます。
近くには橋もある。

緑っぽい.JPG

この地区にあるお寺の、瑠璃光菩薩から来ているのだとか。
「瑠璃」という美しい響きの文字も、もはや日常ほとんど使われなくなってしまったけれど、
ここに住んでいれば澱みなく書けてしまうことだろう。

でも、書けない人に口頭で説明するのはちょっと大変かな。


ネコが、ほら.JPG

これも珍地名ではないけれど、なんか引っかかる「ねこがほらどおり」。
猫の溜まり場的な洞窟でもあったとか?


珍地名といえば、全国地名マニアの聖地とも言えるのがここ。

「次はー…」.JPG

残念ながら「しっけ」と読みます。

橋も.JPG

郵便局も.JPG

橋も郵便局も。
しかしルビがふってないとインパクト倍増ですね。
聖地中の聖地だったスーパーマーケットがあったんだけど、
写真を撮りに行った今年3月の時点ですでに閉店だった。残念。

元々は湿地だったようで、語感の通り湿気に由来するそうだが、
よりによってこの字を当てずとも… という気がするが。
しかし今まで合併も、近頃ありがちなキラキラ地名にもならず、
地区の歴史を守っているのが素晴らしい。

それはそうとこのバス停の近くにはとてもおいしい和菓子屋さんがあるので、
聖地巡礼の際にはぜひ立ち寄られることをお勧めする。


ようこそ.JPG

一方、こういうストレートなのは個人的にはあまり好みではないが。
極楽行きのバスの終点がここなのであった。
しかし苦界であるはずの現世を生きる土地に、こう名付けた経緯や如何に。

極楽からの手紙.JPG

そしてやっぱり郵便局は極楽にもある。

裏がありそな.JPG

さらに公園も。


歴史を残しましょう.JPG

余談だけど名古屋の東の長久手市には、こんな公園がある。
この辺りは長久手の合戦で知られる古戦場のあった土地で、近くには首塚なんて所も。
大きな戦があったり、かつて刑場だったような土地には今でもこの手の地名が残っている事が多いとか。
そっち方面がお好きな向きは、検索してみると興味深いかも。
案外「極楽」も、ナニカの裏返しだったりして…。

 

カタカナの地名もある。

胸の.JPG

「トキメキ」の最上級、みたいな(違)。

どうやら漢字にすると「留め木」らしくて、面白くもなんともないが、
カタカナ表記にしたセンスは秀逸。

 

 

***

 

 

カタカナ地名というのは、あまり出会わないように思えるが、
地図を見ていると、時々目にすることに気付く。
特にずっと過去から続く農地の割り振りが、そのまま地名として残っているような郊外に多い。

ただそれは交差点やバス停の名となって、行きずりの我々の目に留まるよりも
地元の、特に年配の人々が共有する意識や、あるいはローカルな地図や農地台帳のような
書面の中でのみ使われる場合が、もはや圧倒的に多くなっていると思われるが。

しかもその地域特有の表現であったり、そもそもの由来が推察できない読みだけが残っているものだから
何を意味しているものやら、さっぱり見当が付かない場合も少なくない。

ジ子ンゴ.JPG

                                               ゼンリン いつもNAVIより

少し前に偶然見つけた東郷町のここもそうで、「じこんご」なのか「じねんご」なのか、
なぜに「子」だけ漢字なのか、そもそも「ンゴ」ってなんなのと、謎は深まるばかり。

ちなみにゼンリン地図ではこうして地名が出るものの、Google mapでは前は出ていたのに
今は出なくなっていた。
が、検索するとちゃんとその範囲は教えてくれる。

Google mapより.JPG

信号一区とはいえ、途中で微妙に道の左右が入れ替わったりと、
なにやら意味深な範囲…。



ならば、という訳で、「ジ子ンゴ」に行ってみたンゴw

ンゴ.JPG

が、これといってなんにも…。
ここでジ子ンゴ郵便局やスーパージ子ンゴでもあるなら、ネタとしてはともかく。
範囲が範囲なのでさすがにそれはないだろう。

ワゴウ.JPG

中ほどの、ちょうどウエストのようにくびれた部分にバス停があったけれども、
表記はいたって普通というか現代的。
やはり古くからの地名として残るところには残っているが、
一般の認識ではここは「和合西口」になっている、と見た。
まあそうだろうなぁ。

和合ゴルフ場.JPG

余談が続くが、この近くの和合ゴルフ場の中はもっとすごい事になっていて、
「ドンドロ」だの「ギロウ」だのもう、なにがなにやら。
ただ、その語感や新旧濁り池があったりするところを見ると、元は泥湿地だったのかも、と思えてくる。
農地じゃなかったから土地の買収も簡単だった、とかね。

と、「ジ子ンゴ」については何らオチのないまま、話題は変わってしまうのであった。

 

 

***

 

さて、そんな地名のお話。
私が日夜移動し、オートバイやクルマで出かける限り、役に立たない地名の旅も続きます。

では、忘れた頃にまた。

 


タグ:地名 ンゴ
nice!(8)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 8

コメント 12

mani

こーゆーネタ大好きです(笑)。

「ジ子ンゴ」は「じねんご」のようですね。
調べると……「10年後」が訛ったとか何とか。
何が10年後なのかは調べてみてください^^

ちなみにウチの近くには「尻手」があります。
尻手駅には郷ひろみのお父様が勤務されていたとか……。
by mani (2015-06-07 21:40) 

MORIHANA

北海道の日本海側、北方には「増毛」という地名があり、とある悩みを持つ方々の聖地になっています。JRローカル線の駅があり、入場券はお守り?として珍重されているそうです…。
by MORIHANA (2015-06-08 06:49) 

HIRO

こんにちは。
地名は面白いですね>平成の大合弁で昔からの地名が消えたりするのは勿体無いと言うか…

山口からこっちに転勤して来て、最初は地名の読めない事(笑)
廿五里(ついへいじ:鎌倉からの距離が25里だったから)とか…
山口でも、銀座や六本木がある市もあったり(爆)
by HIRO (2015-06-08 10:27) 

YASH

★maniさん
東郷町のHPにあったとは! 簡単な謎でしたね(笑)
でも「10年後」が訛ったんなら「ジ年ゴ」になりそうだし、
「子」の立場はいったい…?
とゆーワケで、真相は他にもあると勝手に思うことにしました。

駅で尻手はキケンだなぁ…。
これも由来が気になりますね。

★MORIHANAさん
たしか高倉健さんの映画の舞台になった駅ですよね。
今はそういう事になっているとは…。

以前そちらを訪れたときはナビなどない頃だったので、
かなり地図を読んだんですが、〇〇内とか〇〇冠などの地名が多くて
とても新鮮だったのを覚えています。
また行きたいなー。

★HIROさん
>平成の大合併
いろんな事情があったんでしょうが、
あれで失われたのは地名だけではないはずです。

廿五里は読めませんねー。
名古屋で難読というと栄生(さこう)とか泥江(ひじえ)町かな。
銀座は元々、銀貨の鋳造所の意味だそうですね。
とすれば、時々思わぬところに長閑な銀座があったするのも
頷けます。

by YASH (2015-06-08 22:58) 

barbie

思わずgoogle mapで見てみました。
和合交差点を南?に行ったところに居酒屋発見。
「居酒屋人生いろいろ」ですって!
私はお酒は飲まないけど、どんな店なのか興味あるなぁ(笑)
前に大垣を走って腹ペコモードMAXの時に「昼飯町」って交差点に出くわしクラクラしたことを思い出しました(笑)
by barbie (2015-06-09 00:31) 

YASH

★barbieさん
居酒屋の名前はワンダーランドですよね。
個人的に一番インパクトあったのは、飛騨金山のR41沿いにあった
居酒屋「どん底」ですね。
後で思い立って写真撮りに行ったら、コンビニになっててがっくりでした…。

兵庫県には「食満」という、barbieさん好みの地名があるそうですが、
知ってました?
これは知らなきゃ読めそうにないです。

by YASH (2015-06-09 20:04) 

kobaban

面白いですね。地図で変わった地名を探したくなります。
うちの実家の近所だと綣(へそ)とかありました。神奈川だと…「尻こすり坂」しか思いつかない(笑)
by kobaban (2015-06-10 01:09) 

YASH

★kobabanさん
変わった地名を訪ねるのも面白いですが、
走っていて、なにげにいい名前だなあと思える所を見つけた時も
楽しいですよ。
近頃だと歌里町とか鹿乗(かのり)橋がポイント高かったかな。

>綣(へそ)
こ、これは難しい…。
住所欄にはフリ仮名が付物なのがよくわかりました(笑)。
by YASH (2015-06-10 22:53) 

harry

地名って面白いですよね。
こちらに来て、良い名前だなぁと思ったのは「鬼無里」。
音もなんだか日本語離れして感じられたりして。

我が家の近くに「洗馬」という昔の宿場町の名残のような名前の
場所があるんですけど、走りに出掛けた帰りに通り過ぎると
ああマシンを洗っておかないと...って思ったりします(笑
by harry (2015-06-11 21:52) 

YASH

★harryさん
鬼無里の由来もいくつかあるようですね。
それを読んでて思ったんだけど、歴史上の本流側なら
ある地域に元々住んでいた一族を自らの都合で滅ぼしたとしても、
〇〇公がどこどこの鬼の一味を征伐した、という伝承になるんだろうな、と。
歴史って、結局どっちが残ったかによって大きく異なるんでしょうね。

そういえば「広丘」の「丘」が「岡」じゃないだけで、ずいぶん印象が違うなと
ずっと思ってました。
「丘」の方が見晴らしが良さそうな気がしません?

by YASH (2015-06-15 22:19) 

Nori

ジーナと言ったら紅の豚でしょうかしらと。
同じ書き方で違う読み方とかもけっこうありますよね。
「あさま」と「せんげん」みたいな。
そういえば、ナントカ1丁目とか味けないって誰かが言ってました。でも、キラキラネームみたいな地名は、それはそれで嫌かも。

by Nori (2015-07-23 23:52) 

YASH

★Noriさん
>ジーナ
バイオハザードってのもありますよ、と。

浅間温泉が浅間山じゃなくて松本にあるというのもまぎらわしいですよね。
なんとなく同じエリアだと思われがちなだけに、余計に。
キラキラ地名は不動産価値に繋がるんだそうですよ。
過去を未来へと繋ぐ地名をそんな事で「花咲台」とかに変えられちゃ
たまったもんじゃないと思うんですが。
尻毛や血の池公園の潔さを見習えと、余所者の私が言うのもなんですけど。
by YASH (2015-07-26 22:18) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

自分の体の事だもの。沢巡り。 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。