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沢巡り。 [Ride]

今年の梅雨は梅雨らしい日々がちゃんと続いて、暑いといっても知れたものだったが、
いつまでもそんな日は続かない。

怒涛の熱波が居座る今どきの夏が、とうとう来てしまった。
しかももう、夏休みだしなぁ…。

この季節にオートバイで出かけるとなると、いつも少し悩むけれど、
時間と距離と涼しさのバランスを考えて、木曽の渓流沿いを辿ってみることにした。

 

前日遅かったので早出はやめて、家を出たのは8時過ぎ。
仕事の車が多い中央道を中津川まで乗って、R19で木曽路を行く。
と言っても今回目指したのは、木曽福島まで行かないうちの木曽川支流の沢筋なので、
大した距離はないのだった。

滴る緑.JPG

まずは阿寺渓谷へ。
ここはとても美しい水の色で知られた渓流なのだが、近年は夏の週末ともなると
家族連れのミニバンで、沢筋の待避所が埋め尽くされてしまうほど。
平日の早めの時間だったせいか、そんな車は時折見かける程度だったのでひと安心。

何が違う?.JPG

陽射しの下で見る淵などは本当にエメラルドグリーンで、
他の渓流といったい何が違うのやら。
ここにいる間は雲が多くて、そんな様子もあまり撮れなかったのが残念。

晴れたり曇ったり.JPG

川原まで下りなくても、 沢沿いにいるだけで辺りにはひんやりとした空気が流れているのがわかる。
クルマでこういうところに来るならたいていTシャツ短パン、サンダル履きだろうが、
むしろパッド入りのパンツやメッシュジャケットの暑苦しい格好だからこそ、
その涼感がよりリアルに感じられるのかもしれない。

 

いったんR19へ下りて、途中のコンビニで昼食用におにぎりなどを調達した後、
今度は上松から赤沢自然休養林の標識に向かう。
どん詰まりには、かつて切り出した木材を運んだ森林鉄道が保存運行されていて、
一度それにも乗ってみたいと思いつつも、この日の目的はそこではなくて。
たぶん15年くらい前に来たときに見た、渓流にしては珍しい、滑らかな川床のある景色を訪ねてみたのだが。

しかし、なんとなく似た感じの所はあったけれども、木々に隠れて見落としたのか
見覚えのある景色は見当たらなかった。
あるいは大きな水が何度も出て、川原の様子が変わってしまったのかもしれないな。

何度かバイクを停めて川の様子を見ながら、森林資料館の手前まで行ったものの、
あの川床はこんな上流ではなかったはず。
思い直して川原へ下り、木陰で昼にした。

食後.JPG

途切れる事なく響く沢音を聞きながら、おにぎりを食べて一息。
客観的に見たら、独りでこんな所でおにぎり食べて何が楽しいんだかと思うが、実はとても楽しい。
こういう時間が持てるのが、私の幸せのひとつなのは間違いない。

沢音を耳に残す.JPG

雲間.JPG

さて、そんな幸せと共にお腹もふくれた事だし、そろそろ戻るかと
再び股火鉢のTDMに跨って沢を下った。

途中、もう一ヶ所くらいと田立の滝に向かってみたが、それは源流部に点在する滝の総称で、
オートバイで道路からひょいと覗けるものではないことが判明。
そのうち「Trek」カテで書くのを考えた方が良さそうだ。

例外として唯一ひょいと覗けるのが、この「うるう滝」なのであった。

登るんだね.JPG

 

 

***

 

そうして再び熱風の中をくぐり抜け、まだ明るいうちに家に帰り着いたら、
シャワーと共に着ていたものは全部洗濯機の中へ。
メットの内装も洗って、この際だからと革のメッシュのグローブも洗っておいた。
こちらはもちろん石鹸の手洗いで。

半乾きになったところでいつものミンクオイルではなく、
今回は鞄や財布に使ってみようと買ってあった、新しい保湿クリームを使ってみた。

デリケート向け.JPG

デリケートクリームというだけあって、革の手入れ用というより
ハンドクリームか乳液みたいな感触のこのクリームは、
伸びがとても良くてべたつきもなく、扱いやすい。

いつものようにほんの少しを両手の平に広げ、その手でグローブを包むようにして
クリームをグローブに移す。
ミンクオイルのように伸びにくいオイルでも体温で温められて、
ほんの少量でまんべんなくグローブ全体に行き渡るこのやり方は
JRPのサイトで覚えた事だが、そんな事をするまでもないくらいスムーズなクリームだった。
これは良い感触のグローブになりそう。

と思ったのだが、ほど良く乾いてクリームが馴染んだグローブを手にしてみると、
オートバイ用のグローブとするには、ちょっとさっぱりし過ぎとも思える仕上がり。

乾燥や熱気や、ときに砂埃にさらされながら手を守り、操作を助けるグローブの革には、
ほんのわずかでもしっかりしたオイルを含んでいるべきかもしれない。
そう思って、少しだけミンクオイルを足しておいた。
うん、いつもの感触。

 

そんな余韻を残す、夏のツーリング。

今度は早起きして、しっかり走ってくるとしよう。

 


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コメント 4

HIRO

こんにちは。
暑い中、乙でした。
今時期は、4時前から明るいから、早出早帰りが吉ですね。
by HIRO (2015-07-27 20:46) 

YASH

★HIROさん
今は夏のツーリングといえばもう、山方面しか考えらなくなってしまいました。
それでも日中の中央道やR19沿線は、街の暑さと大差なしでしたが。
なので本当は明け方発昼帰りがいいですね。
で、シャワー浴びて昼寝してその日のうちにアップというのが理想的ですが、
いつまでたっても理想のままです(笑)。
by YASH (2015-07-28 20:04) 

harry

えらいなぁ、自分はここ一ヶ月以上、跨るオートバイは諦めて
もっぱらスクーターだけにしてます。
股火鉢、上手いこと言いますね(笑

木曽の渓流は、むかーし自分も地図も持たずに点々と見て回った記憶が
おぼろげにあって、でも何処だったのかは今となっては謎...
渓流の水の動きを目で追っていると、
時として焚き火を眺めるのと同じ位楽しく思えたりしますね。
近いうちに何処か行ってみようかしらん...
by harry (2015-07-29 20:19) 

YASH

★harryさん
今年はなぜかいい加減暑くなってから、どっちもけっこう乗ってるんですよ。
おかげで二着あるメッシュジャケが交代で洗われてます。

>焚き火を眺めるのと同じ
これこそ上手い言い方じゃないですか。
泡や光や水の束のうねりや、匂いで感じる事もありますね。
焚き火と同じく、あれは本当に飽きません。
なにより気分も涼やかになるのがいいのです。
by YASH (2015-07-29 21:30) 

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