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ひとりの夏休み。 [旅]

盆休みは、Dトラのオイル交換と洗車から。

ホンダのにした.jpg

そして仕事と日常満載のハイエースからあれやこれやを降ろして、束の間の母艦仕様へ。

2泊3日の夏休みはこうして始まった。

 

 

翌日、妻が起きろコールをしてくれたにも関わらず、思いっきり二度寝をしてしまい、
走り出したのは10時近くになってからだった。

ばっちり.jpg

結局片側の棚は外してしまった。
荷室で寝ることを考えれば、両方共外してオープンな空間は多い方がいいけれど、
少しくらいは小物の収納部も残しておこうかな、と。

荷物が多い.jpg

スライドドアを開けるとこんな具合に。
普段着とバイクの装備に、寝床の用意まで加わるといつものツーリング用鞄にはとても収まらず、
しばらく出番のなかった山用のバックパックまで動員。

メットにバックパックになぜか工具の箱が並んで、荷物だけ見ると
何が目的なんだかよくわからないな。

 

恵那山トンネルから北はシャワーのような雨が降ったかと思うと、薄日が射したり。
それでも塩尻北で長野道を降りる頃には、わりと空は明るくなってひと安心。

とりあえず今夜の寝場所を探さなくては、バイクも降ろせない。
まずは松本空港を囲む公園に行ってみた。
林の中に点在する駐車場は、人出が多い時期なのに車はまばら。
バーベキューを楽しんでいる地元の人らしきグループがぱらぱらと居て、
隣合う芝生の日陰には、本を読んでいる人。
その間隔の広さがどことなく日本離れしていて、なかなかいい雰囲気だった。

一応、候補にしている場所があったので、そこがだめなら戻ってこよう。
そう思ってもう少し西の、山手にある公園に向かってみることにした。

静かで広い.jpg

その公園は西から松本盆地を見下ろすような場所だった。
正面には美ヶ原の山並み。
晴れた朝はさぞ眺めがいいことだろう。

ここはできてからまだ何年も経っていないようで、トイレなども新しい木の感触が残っている。
駐車場には自分の車の他は、軽トラックが一台だけ。
作業しに来ている人かと思ったら公園の車らしい。
ダッシュボードには、不審車両ではないのでなにかあればここへ、と携帯電話の番号が記されてあった。

管理棟があってそちらにも回ってみたが人気は無し。
注意書きにも目を通してみたが、車中泊禁止の文字は無く、時間が来ると閉まるようなゲートも見当たらず。
なにより静かで見晴らしが良く、空が広くてトイレも清潔。
車中泊には文句なし、と思われたが気になることがひとつ。

空いてるお墓.jpg

後ろはお墓だった。

お盆の時期、ここで寝るのはどうなんだ? とも思ったが、
年季の入った墓地ならいざ知らず、ここはまだ新興のお墓で眠っている方も少なそう。
別にお墓を見下ろして過ごす訳でもないし、これ以上の環境はないように思えたので、
今夜のベースはここに決定。

出動.jpg

薄日も射してきた事だし、さっそく艦載機を下して出掛けることにする。

まずは腹ごしらえをして、適当に寄り道しながら松本に向かい、
暗くなる前に銭湯で汗を流して戻る、という予定で出発。

店内より.jpg

とろろ.jpg

さっそく見つけた蕎麦屋で一息ついて、外に出てみると見下ろす行き先はところどころ白く煙っていた。
散歩のつもりで出てきたので雨具は車の中。
戻るか迷いながらも走り出すとすぐに路面は黒くなり、ざあっと飛沫のような雨が。
あらら。

結局降り続くことはなかったけれども、行きつ戻りつの散歩をするには落ち着かないので、
なんとなくそのまま走って松本の市街へ。
辺りに聞こえる蝉の声がミンミンゼミなのが非日常だ。
そんな事を思いながらちょっと早いけど、汗を流すことに。

屋根付き.jpg

銭湯の名は、ばらの湯。
菊や梅はよくあるが、なんで「ばら」なんだか。
趣味人の多そうな松本の事、創業者は薔薇園でも持っていたんだろうか。

ばらの湯1.jpg

ばらの湯2.jpg

中は昭和の街の香りが色濃く残る、正統派の銭湯。
今どきの小洒落たスーパー銭湯じゃなく、こういう風呂屋に行きたかったのだ。
タイル絵の神奈川沖浪裏が素晴らしい。
今でもこんな仕事のできる職人は、いるんだろうか。

 

***

 

風呂上りに土砂降りは困るな、と思いつつ、銭湯近くの高台へ行って一服。

それなりに蒸した感じはあるが、風の中には山の涼しさを感じる。
名古屋あたりの雨上がりとは大違いだ。

日暮れ前.jpg

明るいうちに母艦へ戻る。
幸い夕方近くなるにつれ、空は明るくなってきた。
周りの山からはヒグラシの声。
もしかしたら、今夜から雲が切れて、明日は晴れかも。

と淡い期待をしたものの、日が落ちる頃にはまた雲が厚くなってしまった。
携帯電話の天気予報は所により大雨を告げている。

なので一旦はDトラを積んだが、やけに車内がガソリン臭くなってしまうのには参った。
来るときは感じなかったのに、給油してからこうなのだ。
このままではとても寝られそうにないので、暗くなってから再びDトラを下し、
荷室で足を伸ばして寝ることにする。

 

真夜中、涼しいを通り越して寒いと感じるほどの冷気で目が覚めた。
山用のエアマットを敷き、全身を覆えるタオルケットに包まっていたが、それでも寒い。
いくらなんでもと思いつつ、非常用に持ってきた薄いダウンの中間着が役に立つとは。

ヘッドランプのLEDを消すと、外は漆黒の闇。
今度こそと、ダウンの柔らかい暖かさを感じながら、再び眠りの中へ。

外は雨が激しく降っていた。

 


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コメント 8

McCoy

アチラのブログからコチラに伺いまして、なにはともあれ走りたい気分になりましたので、これから夏休みの夕日を見にひとっ走りしてきます(笑)
by McCoy (2012-08-19 16:50) 

SerowGOGOGO

あ~楽しそうだな~・・・
トランポいいな~
さて次はどこへ?(^^)
by SerowGOGOGO (2012-08-19 17:08) 

HIRO

こんにちは。
トランポで夏休み良いなぁ。
なんだかんだ言っても?大きいと余裕があるから…
by HIRO (2012-08-19 18:14) 

カズ−

楽しそうですね~♪
買えないものの、トランポを利用しての遊びに興味が
湧いてきます。

by カズ− (2012-08-19 18:41) 

harry

気になって名前の由来を調べてみたら、本当に創業者の方が
大の薔薇好きで、創業した昭和30年頃は周りも畑で
沢山の薔薇が咲いていたらしいですよ。
おかげさまで、身近な場所のいい公園を知りました。
冬の景色が結構楽しみです。

by harry (2012-08-19 21:09) 

うえいぱうわ

旅というか、レースに出かけるみたいですね。
あ、でもガソリンの匂いってところは気がつきません
でした。けっこう漂ってくるものなんですね。
by うえいぱうわ (2012-08-20 10:21) 

なおネィ

先に塩尻方面のエントリを読んできたので
旅程がわかっちゃった。

男っぽくってステキな旅だなぁ。
お金と時間があってもワタシには決してできないところが
なんともうらやましい(笑)
続きが楽しみ。^^/

by なおネィ (2012-08-20 13:39) 

YASH

★McCoyさん
素敵な夕日は見られましたか?
バイクの大小や走る距離は、実はそんなに大事な事ではないなぁと
近頃よく思います。
俺達に要るのはこういう時間だよ、と実感してきました。

★SerowGOGOGOさん
まあ、休みにバイク乗ったりクルマでどっか行ったりするのは、
何が目的でも楽しくないワケがない、とね。
次はもうすっかりバレてるみたいです(笑)

★HIROさん
ガソリン臭くなかったら雨だし積んだまま寝るつもりでしたが、
そういう事ができるのも余裕があってこそですね。
ただ、うちのは燃費があまりよくないので、
航続距離には余裕がないです。。

★カズーさん
私もこんな仕事じゃなかったら、この車は乗ってなかったはずです。
朝は雨だったから、車内でお湯沸かしてご飯とかね。
ただ仕事仕様に戻すのがちょっと大変。。

★harryさん
ほおお、適当に書いたら本当にそうなんですね。
実は他に本命と第二候補があったんですが、
よくよく見たらどちらも当日定休日だったんです。
裏にやたら大きな駐車場があったけど、そこが薔薇園だったのかもね。

★うえいぱうわさん
レースに出るにはマシンの管理が適当過ぎです(笑)
ガソリンは出発前夜から積んであったのに平気だったから、
給油して新鮮なガスが入ったからかも。

★なおネィさん
わはは、ネタバレでしたか。

こういうのって男っぽいかなぁ。
まあ、あんまりおいしいものも積極的には探さないから
そういう面では女性ウケはしないかも。
お金と時間があったら、私も違うスタイルの旅がしたいです(笑)

by YASH (2012-08-20 21:56) 

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