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ディスカバー・おやき [Drive]

前の週の日曜日、午後3時頃。なぜか、おやきが食べたいと妻が言い出した。

長野へ行った時におやつとして食べたりするあのおやきだが、名古屋辺りではそこらへんで見かける物じゃない。
一番近くで食べたのはどこだったか。そうだ、たしか妻籠・馬篭の手前、賎母の道の駅にあったはず。でもこの時間からだと、店じまいの前に辿り着けるかなあという気分だったが、一応出かけてみることにした。

でもやっぱりというか、恵那まで行く途中の三郷の道の駅に寄った時点でタイム・アウト確定。しかたなく地元産新じゃがのポテトチップスなんぞでお茶を濁してみたんだけど、不完全燃焼なのは変わりない訳で。

そんな時間から動き出すというのがそもそも間違っているのだが、だって前の日には食べたくなかったんだもんと妻。
じゃあ今度はおやきに特化してみようと、日曜日は珍しく5時半に起きて出かけた。

 

元々は中信から北信、新潟にかけての食べ物らしい。ということは同じ長野とはいえお手軽な飯田あたりで、というのもなんなので、せめて松本以北を目指す事にする。

早朝ということもあって空いたR19を恵那まで走り、中央道に。曇りの予報にしては時々本降りになったりして、雨雲はなかなか晴れない。
駒ケ岳SAで小手調べに五平餅を食べた後、岡谷から和田峠を越えて長門の道の駅へ。
以前TDMで来たときに、ここで食べたっけ。

ここのは蒸した皮で、ちょっとお饅頭のような雰囲気。胡桃味噌と野沢菜入りを選んでみた。
「どう?」と聞くと、おいしいけどなんか思ってたのと違うって?
こういうのもあるそうだけど、「お焼き」というより「お蒸し」だな、たしかに。

 

では次行ってみようと、R152から254へ入り松本方面へ。雲が切れていれば県道62で王ヶ鼻へも寄りたかったが、見上げると美ヶ原は雨雲の中だったので今回はパス。

友人から松本にあるカツ丼の美味い店をメールで教えてもらっていて、そこで昼にするつもりだったのだが妙に腹が減ってしまった。
時計を見ると11時半。混み出す前のいい時間だ。

丸子温泉の辺りで蕎麦でも食べようかと思っていたら、十割蕎麦の看板が。

 

 

どうも上田の有名な店の暖簾分けらしく、パンフレットなんかが置いてある。
有名といわれてもその店を知らないのだから「ふーん」としか言いようがないのだけれど。

でも蕎麦も蕎麦雑炊も天ぷら盛りも、どれもなるほどうまい。
バイクだったら同じ松本へ抜けるにしてもたぶん県道を通ってしまうのだろうけど、機会があればまた行ってみたい。
隣の席のご夫婦が食べていた、ほとんど真っ白の更科が気になるのだ。
バイト君はそそっかしかったけど、蕎麦に免じて許そう(笑)

 

 

 

食後はちょっと道草。道路から見下ろすと蕎麦の花が広がっていたので降りてみることに。
雨は上がってだいぶ明るくなってきた。吹く風は山のもので、街の季節より明らかに先に行っている気がするけど、薄日が射すとまだ蒸すような感じはある。
蝉の声、赤トンボ。コスモス、紫陽花。本当の季節は、カレンダーをめくるように変わったりしないのだ。

 

 

 

***

 

 

三才山トンネルを越えたらR143に入るつもりがつい直進してしまい、またトンネルの料金を払ってR19へ。

豊科ICを目指していたら 「白鳥湖」 という案内が現れる。
はて、そんな湖あったっけ? とハンドルを切って導かれてみる事に。助手席の妻はツーリングマップルを見ているが、そんなの載ってないよって?

     

とはいえ、左だ右だと妙に親切に案内は続く。
でもこんな田んぼの中に湖というのは、どう考えても不自然な気が…。

やがてダートの小道へ入ると、そこは林の中。
視界の広がる先は…。

どう見ても川、ですが。 ??

 

 

と思ったら、反対側にも水辺があるので行ってみる。

おお、湖! というのは言い過ぎか。雰囲気としては白鳥池と言った方が近いような。

どうやら堰で川の水を貯めた人造湖みたいだ。新しい観光スポットなんだろうかと帰ってから調べてみたら、冬場はコハクチョウがたくさんやって来ることでかなり知られた場所らしい。

今はカモと無数のアメンボしかいなかったけど、道草としては面白かったな。

 

 

***

 


さて更科インターに程近いここのおやきは、文字通り「お焼き」。
店内の囲炉裏で温めて食べられるのだ。


ずっしりとしていて二つも食べたらお腹一杯という気がするのだが、レジに並ぶおばさん達は山盛りの見事な買いっぷり。
観光客ばかりの集まるところでもないようだから、地元では焼き立てパンやドーナツみたいな存在なんだろうか。

 

ここではきんぴらごぼうとピリ辛茄子というのを選んでみた。
きんぴらは薄味で中身単体として食べてもいけそうな正統派だったのに対し、茄子の方はほとんど麻婆茄子が中に。いわば四川風おやき(笑)
方向性は違えど、どっちもうまかったけどね。

妻はここのが気に入ったようで、実家のお土産や帰ってから食べるのを選んでいた。良かった良かった。

 


帰りは松本に近付くに従って混むようになるR19を避け、脇道で南下。塩尻の街をすっかり通り過ぎた辺りで19号へ。

そして途中の道の駅でもしつこくおやきは続く。
今度はカボチャ。ここのはパンみたいだ。

途中で現れたハーレー乗りの皆さんも、「オレ、五平餅食べようかなぁ」 「おやき何にするー?」などと微笑ましい。
コンチョにワレットにチャプスと、アメリカンにキメキメでも心はやっぱり日本人です。

 

 

 

 

***

 

 

さて、おやきツアーの締めは豊科で買った梨で。

ごちそうさま、信州。 

 


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コメント 15

柊なお

おやき。
小さいころずっと。今川焼きみたいののことだと思ってました。
だから、あんこじゃない中身が。「ええッ これがおやき!?」っていう。

何かを急に、猛烈に食べたくなる時があるのです♪
なんだかね、舌に味がよみがえってくる。
「ああ、ほうれん草の胡麻和えが食べたいッ」とか。
前の会社でいきなり言い出して、周りを困らせてました。
まあ、だんだんと。
慣れてきた相方は「ないです」と、なんでもないことのように答えるようになってましたけど(笑)

お気に入りのおやきが見つかってよかったですね~。
素敵な休日。美味しいものは幸せを運びます。
by 柊なお (2007-09-04 19:47) 

アホライダー

やはり おやきはこうでなければ 十割蕎麦 もりがす て き だー♪ 十割蕎麦といえばもりが少なく こんなにするのーとゆう店が多いいので・・・
by アホライダー (2007-09-04 20:06) 

barbie

四川風おやきにやられました。
あぁ〜夕食まだ食べてないし、もう再起不能!!
by barbie (2007-09-04 20:39) 

魔太郎

最後のぼてっと、したおやき、これは美味しそうですね。
ツーリングに行って食べた時はこんな餅があるのか?!と
カルチャーショックを受けた食べ物です。
しかし、アメリカン風ライダーがおやきとか五平餅とか言ってるという
シーンを想像して笑ってしまいました。
どうしても日本人は日本人のままですね。
by 魔太郎 (2007-09-04 20:43) 

SerowGOGOGO

近くに来られていたようですね
おやきは本来、囲炉裏の灰の中で焼くそうですが、有名ないろは堂もその焼き方ではないし・・・
どこかにないでしょうかね・・・本来のおやき・・・(・・)?
by SerowGOGOGO (2007-09-04 21:10) 

e-g-g

ワタシも夕食、まだ!ようするに仕事中!
そんなときに「おやき」のブログなんか読むものじゃない!あぁ
でも、なんですね〜 YASHさんは優しい!
5時半起きで「おやき」を求めて出かけるんだから、、、
いや、ほんとはYASHさんが食べたかった?
で、ワタシは蕎麦の方が気になります。
by e-g-g (2007-09-04 21:14) 

harry

僕のおやきのイメージは、ちょっとモッチリした皮をこんがり焼いてあって
野沢菜入りの、ごく正統派のやつかな。
駒ケ岳のわらじのような五平餅も好きです(笑
さっくりとした梨も旨そうだなぁ...

小さいけど確固たる目的で出掛けるのって、楽しいですね。
by harry (2007-09-04 22:28) 

YASH

★柊なおさん
実は私も「あれが食べたいっ」というのはあんまりないんですよ。
だからツーリング中に、こんなのを見つけたので食べてみたっていうお話は
少ないでしょ。
食べ物の事で盛り上がれた方が、暮らしの彩りが豊かになりそうですけどね。
こういうのって女性の方が強いのかな。
お酒も飲めないし煙草も止めちゃったし、なんだかワタシの暮らしって
彩度が低いなぁ。


★アホライダーさん
そう言われれば盛りが良さそうに見えますけど、そうでもなかったような…。
ここはやはりサイドオーダー無しの蕎麦大盛りだけにして、とことん蕎麦を味わうというのが男らしい食べ方でしたね!

★barbieさん
こういうのはお好きそうですよね(笑)
おやきの中身も近頃は煮物や餡だけじゃなく、店によっていろんなのが
あるんですよ。知りませんでした。
最近はネットでお取り寄せもできるんですが、こういうのはやっぱり現地で
頬張りたいですよね。
次回信州に行ったらぜひ!

★魔太郎さん
カルチャーショック、旅先ではいろいろありますよね。
それがまた面白いところでもあるんですが。
私は伊豆で出会った、出汁醤油に浸かったトコロテンがショックでした。

★SerowGOGOGOさん
へぇ~、そういう物なんですね。
でもそういう焼き方だと、商業ベースに乗せるには難しいでしょうね。
囲炉裏のある民宿とかで、もしかして出会えるかも?

★e-g-gさん
遅くまでお疲れ様でした。
そういうときはブログなんて読んでないでさっさとお仕事片付けて、
はやくご飯にしましょう(笑)
ん~、私はどっちかというとおやきの皮のファンです。
そば粉の皮がちょっと焦げてぱりっとしたところなんて、
たまりません←ヘン
by YASH (2007-09-04 23:40) 

YASH

★harryさん
そうそう、豊科のはそんな感じでした。
やっぱり皮は焼けてる方が気分ですね。

バイクで出掛けたときなんかはあまり間食する方じゃないんですが、
今回は目的自体が間食(笑)
こういうことに気付かせてくれる相手がいるというのは幸せなことです。
by YASH (2007-09-05 00:28) 

HIRO

こんにちは。
奥さんのリクエストに応えるYASHさんの優しさにnice!かな(笑)
おやきといえば、昔、長野に住む友人の紹介で”おやき屋”の一人娘と帰省帰りに松本に寄って逢った事が...まあ、直ぐダメになりましたけど(爆)
by HIRO (2007-09-05 01:13) 

micyu

甘党なので”お焼き”というと、あのあんこの入った夜店風なものを想像してしまいます。
でも炭火であぶった本当?のお焼きは、あつあつでおいしいんですよね。
by micyu (2007-09-05 18:27) 

YASH

★XXAR2さんnice!ありがとうございます。

★HIROさん
ソロで走ってばかりもいられませんからね(笑)
それはそうと、いろんな過去があるんですねぇ。
ということは、HIROさんにとっておやきは、ちょっぴり苦い青春の味?

★三浦半島の住人さん
もう少し小振りのあんこ入りで、皮がぱりっ&もっちりというお菓子だったとしても人気が出そうですけど、野沢菜や野菜の煮物入りがデフォルトというのが
より信州らしさを感じるんでしょうね。
↑本場にお住まいの SerowGOGOGOさんがおっしゃる、囲炉裏の灰の中で
焼いたおやきはもっとおいしそうです。
by YASH (2007-09-05 21:30) 

里崎 知宏

おやき、まだ食べた事ありません。やっぱりなおさんみたいに今川焼きっぽいのに中身がアンコじゃないの!?的な抵抗がw
でもなんだか・・・読んでると食べたくなってしまうチーム@メタボw

今度見つけたら食べてみよう。

それにしても、ほんとずいぶんニアミスだったんですね~。僕は午後に美ヶ原高原を通り、K62を東に抜けました。
by 里崎 知宏 (2007-09-06 15:35) 

バク

おやき は未経験。
どんな味だろ?(^^)
by バク (2007-09-07 16:26) 

YASH

★虎ノ門の里崎さん
中身は野沢菜とか煮物なので、メタボには大した影響はないかと。
安心して爆食してください♪

私の方がちょっとだけ早かったみたいですね。
でも今回は黄色い方じゃなかったので、すれ違っても気付かなかったかな。

★バクさん
一言で言って素朴な食べ物です。
野沢菜や煮物が苦手じゃなかったらOKかな。

関西では当たり前のものでも、私には未経験な味がたくさんあるのかも。
一度は食い倒れてみるべきですよね(笑)
by YASH (2007-09-09 00:00) 

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