冬になったら歩いてみようと思っていた低山が、近くにはいくつかある。
なぜ冬かというと、夏は涼を求めてある程度標高の高い所へ行きたくなるし、
春は浮かれて、秋は寒くなる前に行っておこうなんて、つい足を延ばしたくなるもの。
でも今は違う。
場所にもよるけどたいてい雪の装備はほとんど要らないし、
うっそうと茂る葉もすっかり落ちていて展望もいい。
ついでにいくら低いとはいえ、街中よりは寒いので人気が少なくて静か。
冬になったら歩いてみようと思っていた低山が、近くにはいくつかある。
なぜ冬かというと、夏は涼を求めてある程度標高の高い所へ行きたくなるし、
春は浮かれて、秋は寒くなる前に行っておこうなんて、つい足を延ばしたくなるもの。
でも今は違う。
場所にもよるけどたいてい雪の装備はほとんど要らないし、
うっそうと茂る葉もすっかり落ちていて展望もいい。
ついでにいくら低いとはいえ、街中よりは寒いので人気が少なくて静か。
そんな訳で犬山の八曽山へ。
ここは入鹿池の東にあるので、家から30分もかからず近場にも程がある。
その割には東海自然歩道も合わせた道が何本も延びていて、ルートの選択肢も豊富。
今回は一番近いモミの木キャンプ場から入ることにした。
金曜の朝8時過ぎ、路上の気温表示は-4℃。
よく晴れた朝だったが、空気はきーんと冷たい。
オフシーズンで閉まっているキャンプ場は当然誰もいなくて、よけいに寒々しい感じ。
周りの枯草は霜で真っ白だ。
登山道を指すピンクのテープを見つけて歩き出す。
空は明るいが日が当たらないこともあって、とても寒い。
雪はないからそんなふうには見えないけど、パイパス沿いで-4℃なんだからここはもっと冷えてるんだろうな。
フリースの帽子とネックウォーマーをバラクラバ状態にして進むが、歩いていてもなかなか体が温かくなってこない。
しばらくは沢筋を行く。
去年夏の豪雨で木製の橋はほとんど流失していたが、
石を並べた渡渉路が作られているので問題なし。
やがて急な登りになり、岩場を進んだところでいきなり山頂。
360度の展望からは西の伊吹山から北東の恵那山、
その奥には白い頂が続く中央アルプスから御岳まで一望。
歩き始めて一時間も経ってないんだけど、すでに妙な達成感を感じてしまう。
といってもここは岩見山という別の頂なんだが。
面白いな、ここ(笑)
と、満足してしまうにはいくらなんでも早すぎるので、下って先に進む。
厳頭洞線、岩見山線の登山道から一旦、八曽林道へ。
オフ車で走ったら楽しそうなフラットダートが続くが、ここは一般車両は進入禁止。
途中にはヘリポートがあって、展望台になっているそうなので立ち寄ってみた。
ヘリポートといっても〇にHのマーキングはなく、ただの広場なんだけれども。
ふぅん… と、それを見下ろしながらベンチで携行のナッツなど食べ、
ではそろそろとパックパックを背負ったところでヘリのローター音。
見上げると南の空から、本当にヘリがこちらへ向かって来るじゃないか!
あっけにとられていると広場上空でホバリング、すぐに降下。
ローターの巻き上げる風の中、びっくりしていると、ヘリから降りてきた隊員が駆け寄ってきて、
「もう、降りられますか? これから約一時間、訓練を行いますので。ではお気をつけて!」
と告げ、再び走り去って離陸。
どうもそのためだけに降りてきてくれたみたい。
素敵!!
歩きながら見ていたら、一旦離脱した後、今度はロープを下ろして隊員が降下後再び離脱。
次にはホバリングしながらバックしたりしていた。
上下前後左右とロール方向のコントロールもあるんだから、ヘリの操縦って難しいんだろうな。
小牧基地の航空自衛隊が使うのかと思っていたが、防災航空隊というのもあったんだね。
それにしてもこんなところで本物のヘリの離着陸が間近で見られるとは。
いいモノ見せてもらいました。
林道から再び山の斜面へ分け入り、八曽滝から八曽山山頂へ続く一の門線へ。
かなり道が交錯しているが、要所にはきちんと道標があるので安心。
山の西側と違ってここは冷たい風が当たらず、日も当たるので暖かい。
やっとアウターを脱いで一休み。
まるで時代劇に出てくるような場所だった。
やがて崩れかけた石垣が現れると山頂は間近。
明治時代は寺院があったそうだが、今はその遺跡のような名残りが残るだけ。
国土地理院の地図にも書籍にもネットで検索しても八曽山とあるのだが、
現地では黒平山ということになっている。
そういう情報を得て来ているからいいんだけど、知らなかったらかなり戸惑いそうだ。
山の名前というのは時代によっても変化するし、山の向こうとこっち側では呼び名が違うこともあるらしい。
漫画みたいなネーミングの山もあって、山名に関する本が何冊も出ていたりする。
行って歩いて、わぁきれい、だけじゃないのも山の面白いところだ。
ラーメンとおにぎりの昼食の後は一の門線を可児側に下り、今井駐車場へ続く林道を経て、
再び厳頭洞線へ。
古代人の壁画でもありそうな厳頭洞を覗いて沢筋を歩き、朝通った道へ戻ってきた。
駐車場でお湯を沸かしてコーヒーを飲み、時計を見ると午後3時半。
普通ならここからまた高速に乗って帰るわけだが、ここはいつものバイク屋へ行くより近かったりする。
標高は300m少々でも、飽きないルートと展望もあってなかなか楽しませてくれる山だった。
***
ちなみに今回は国土地理院1:25000地図より、こちらの地図の方がはるかに役に立った。
1:25000で見るとほとんど道がない部分も、実際は道が張り巡らされていると言っていい程。
こういう実践的資料満載の記事をアップされる方には、感謝の一言に尽きる。
だからオマエも少しは見習って、と言われそうだけど、
これからも引き続き役に立たない事ばっかり、特に選んで書いていくつもりなのであります。