それぞれの日曜はきのこ鍋へ向かう。

仕事の都合が付きそうになくて、一度は断った連休の一泊ツーリングだったが、
土壇場でなんとか行ける事になった。

ただし前夜までは、午後遅くまで雨確定の予報。
なんだか雨を狙って走りに行ってるみたいな気がしてくる。

いっそ、昼過ぎまで山の道具でも見に行って3時頃出ようか。
それなら暗くなるまでには宿泊地の岡谷に着くだろう。
なんて思いながらシュラフとマットをいつもの荷物に加えた。

 

 

ところが翌朝になってみれば、路面は濡れていたものの、すっかり秋晴れ。
でも山の方はまだ雨に決まってるだろうし、なんて思っていたら
現地近くで暮らすharryさんからも、「こちらは晴れてきました」なんてメールが来る。

うーむ。

なんとも盛り上がりに欠ける前夜だったので、早起きのアラームもかけてなかったし、
第一どんなルートを辿るかもなにも考えてないぞ。

でも今更慌てても仕方ない。
悠然と朝食を取った後、広げてあった雨の用意をバッグに仕舞って装備をやや変更。
そしてしばし地図を眺めて、とりあえず聖湖でも行ってみるかと走り出した。

 

着いたのは昼過ぎ。
それにしても、まるで半月は季節が逆戻りしたような暑さはなんなのか。
秋のジャケットを着ていると、日なたじゃなくても汗ばんでくるほど。

関東からのラスカルさん・ねこにんさんはどの辺りかとメールをしてみたら、信州新町の道の駅からレスが来た。
意外に近くにいるもんだと思ったが、まずは合流という話もないので適当に先へ進むことにする。
どっちみち後で会うんだから、それまでは好きにさせてくれるんだろう、という解釈だったけど違ったかな。

 

その後は県道501を西へ。

地図を見るとこの道は、いくつかの池を繋ぐように延びている。
バイクを降りて見に行ったりした池もあったが、特に雰囲気のいい場所も見つからずに
ちょっと不完全燃焼気味。
そんな事もあって、今回はバイクと風景を絡めた写真が少ない。


県道12へ出たところで、アルプス展望台という文字が見えたので寄り道。
駐車場から歩いて登る小高い頂がそれで、確かに北アルプスの山々が展望できるが、
時間的に逆光真正面。
もう3時過ぎだもんね。腹減ったなぁ…。

という訳で、すぐ下にある喫茶店風の店で一休み。
コーヒーと一緒に頼んだのは自家製の林檎パン。
しっかりとした味のパンの中に、アップルパイの中身みたい林檎入り。
居心地も良くて、［信州の西洋館］なんて写真集を眺めながらついのんびりしてしまった。
テラスの向こうにはなにか穀物が干してあって、聞いてみたらタカキビというらしい。
その脇にははコスモスが揺れている。
こんなのも、たまにはいいか。

***




さて、そろそろ岡谷に向かって動き出さないと。
一番確実なのはすぐ西にあるR19へ出て豊科まで下り、そのまま長野道へ乗ってしまう事だが、
ここまで来て幹線で行くのもつまらない。

と、今頃から山道を選んで県道12を鹿教湯まで戻り、R254で松本の北へ。
途中の三才山トンネル辺りで、すっかり日が暮れてしまった。
同じように岡谷のキャンプ場に向かっていたはずのラスカルさんと、週末からのツーリングの最後に合流する
kobabanさんはもう着いたみたい。
ちょっと遊びすぎだったな。

豊科から長野道で一気に岡谷へ飛んで、塩尻峠の途中で県道254へ入る。
ヘッドライトが照らす方向以外は鼻をつままれてもわからない闇の中、なんとか分岐を見落とすことなく
しだれ栗森林公園に到着。
TDMの音を聞きつけて、ラスカルさんが出迎えてくれた。

バンガローに入ると、真ん中には土鍋、周りには山盛りのきのこと野菜が。今回はきのこ鍋だった。
きのこ類は来る途中、広丘のスーパーで調達してきたという事。
生キクラゲなんて初めて食べたけど、これはなかなか幸せになれる食感だった。

ちなみに土鍋はラスカル家より持参のもの。
おでんと寸胴鍋をトップケースに入れて来たこともある人だから、もう驚かないけど（笑）

三回目のきのこ投入の頃、仕事を終えたharryさんも到着。お疲れ様でした。
乾杯の後はいつものようにブログやバイクの話に加えて、地元のローカルなお話も。
ちょっと痩せたようにも見えたけど、相変わらずでなにより。

そんなharryさんからみんなへのお土産は、地元のお店で見つけたという10円玉チョコレート。
本当に1個10円なんだそうだ。
当たりが出るともう一個もらえるんだって。はずれちゃったけどさ。

こういう事で素直に笑い合える友人達がいるというのは、幸せな事だ。
たぶんそれぞれがそう思っているから、お互いなんとか都合をつけて集まる気にもなる。
どういう縁があったのものやらとつくづく思うけど、大事にしなきゃね。

きのこ鍋の〆は卵とご飯を入れて、たっぷり出汁の効いた雑炊で。
満腹とアルコールのおかげか、夜更かしすることなくそれぞれのシュラフへもぐりこむ。
今回は耳栓を持ってきたけど、なしでも平気でした。





***

翌朝も晴れ。
起きたのは6時過ぎだったか、そんな時間はさすがに肌寒い。
ねこにんさんがくれた貼るカイロをお腹に入れて外に出る。
カップスープやコーヒーを飲みながら、パンをストーブであぶっての朝食。
梢の先が明るくなってきたと思ったら、みるみるうちに陽射しが降りてきて、周りの匂いまで変わる様だ。


そんな様子をみんなで眺めた後、今日も仕事のharryさんはここから出勤。
いってらっしゃいと見送ってから、我々もそれぞれ出発の準備にかかる。

帰りは関東組も一緒に、とりあえず飯田までR152を下ることにする。
連休最終日は帰りの高速、特に関東方面へは混むのが目に見えているので、
ダム湖に立ち寄った後は淡々と走って早めに飯田へ。

分かれるのは昼食後に、と入った店は昭和の面影を色濃く残す食堂だった。
写真はkobabanさん・ねこにんさんが頼んだソースカツ丼。
だって蕎麦よりこっちの方がおいしそうだもん（笑）

***

そのまま下道を下り、三ケ日辺りから東名に乗る予定の3人と別れ、高速に乗ることにした。
渋滞の始まる前だったのか、名古屋方面へ向かう中央道は思ったより流れて、珍しく明るいうちに帰ることに。
残暑といってもいいほどの暑さの中、家に着いたのは3時過ぎ。

次に出かけるときは、冷たい空気の中を走ることになるだろう。

そろそろオイルを替えておかないと。