何の神様が歓迎してくれたのか、翌日も朝から晴れ。
7人もいると、中には行いの良い人もいるんだろうな。
ありがたいことです。
何の神様が歓迎してくれたのか、翌日も朝から晴れ。
7人もいると、中には行いの良い人もいるんだろうな。
ありがたいことです。
こういう食事を続けていれば、食生活に余計な心配をする必要はなさそうな朝ごはんを平らげたあと、
地図を見ながら皆で今日のルートを話し合う。
昨日はずっと高速だったので、帰りは下道を取り入れたルートで東に戻ることにして、とりあえずは
因島周遊へ出発。
昨日渡って来た因島大橋を見上げる浜辺にて。
新しいカメラのGX200はさすが広角側24ミリだけあって、こういう風景には向いている。
収差を気にしていたら水平がちょっと傾いてしまったのはご愛嬌。
それにしても海がきれいだ。
夏はもっと賑やかなんだろうけど、そんな頃来るのもいいだろうな。
観光地の臭いの感じられない海辺の町や海岸線を流したら、瀟洒な佇まいのホテルのティールームでお茶の時間。
ここが例の島一番だそうで、納得。
でも少なくとも自分には夕べの民宿のほうがしっくりくるかな。お茶しに来るには最高だけどね。
暑くもなし寒くもなし、テラス席には絶好の陽気で気持ちがいい。
こういうツーリングのためなら、10回のうち7回は雨や曇りでもいいと思えてくる。
一緒に行ってくれる人には悪いけど(笑)
テラスからは隣の島へ渡るフェリー乗り場が見下ろせる。
ちょうどフェリーが着いたところで、双胴のような形が面白い。
にきさんの話だと、乗船中はバイクにまたがったままなんだそうだ。
乗ってる時間が短いからか固定する手間を省くためか、たぶん両方が理由なんだろうけど、
そういうのもなかなかない体験で楽しそうだ。
いつか乗ってみたいな。
***
このまま日がなテラスで過ごすのも悪くないような気がしてきたけれど、今度は大きくアップダウンを繰り返す海沿いの
ワインディングへ向かう。
コーナーの向こうに海が見える、そんな道が8キロくらい続いたか。
因島はただ海岸線を走るだけの場所じゃなかったのだ。
その後は一旦しまなみ海道へ乗り、昨日とは逆に山陽道へ。
山陽ICで降りたら岡山ブルーラインを経由して日生へ寄り、カキオコを食べて帰ろうということになった。
高速を降りた時点で昼過ぎ。
ちょっと前から先頭を替わっていて、そろそろ昼食をと思うがなかなか適当な店がない。
とりあえずと、モスバーガーの広い駐車場へ入ってみると隣接するスーパーマーケットと共用らしい。
そこでも焼きたてパンのお店があったので、各自お好みで軽めのランチにすることに。
私はサンドウィッチでも食べようとスーパーの方にしたのだけれど、ちゃんとイートインのコーナーもあって、
なかなかくつろげた。
サンドもキッシュもきちんと作られたおいしさだったし、こういうのも旅の途中っぽくてたまにはいいかも。
ブルーラインは連休らしい交通量で、途中入った道の駅もお祭りみたいな人出だった。
そこから日生まではもうすぐ。でも、まだおなかが空いてない…。
カキオコの前に、時間つぶしにどこか道草しようかと言うと間髪入れずに「水餃子!」
の提案があったけどそれは却下。
この場合の時間つぶしって腹ごなしであって腹ゴシラエじゃないからね、barbieさん。
その代わりに地図で見つけた、R250へ降りてすぐの展望台のある山へ上ってみた。
急に道を外れてどこへ連れて行かれるか心配だった人もいたみたいだけど、いきなり道が狭く荒れ出して
ぎょっとしたのは私も同じです本当です。
でも、さも知っていたように進まざるを得ない時もあるのが、先頭のツライところです。分かってください(汗)
ここから急な坂を、みんなで息を弾ませながら登る。
よし、これでお腹も空きそうだ。
しばらく歩いた先に展望台があって、まるで私たちが来るのを待っていたような夕日が。
ほら、いい道草だったでしょ?(冷汗)
***
日生に近づいた辺りで、GPS搭載のmicyuさんに先導を替わってもらい港の奥の駐車場へ。
そこから歩いて、子供の頃身近にあったような路地へ入ると、あちこちに駄菓子屋のような佇まいの
カキオコの店がある。
遠い記憶の底にあるような古い家並みの続く路地に、そろそろ頭に白いものが増えてきた自分が
オートバイの仲間たちと訪れているというのは、ちょうどたそがれ時の薄暮だったせいもあるんだろうけど、
軽い眩暈を覚えるような不思議な感覚だった。
そんな路地を行くbarbieさんとにきさん。
二人共、すっきりとライディングウェアがよく似合う。
オートバイの乗り方は多少私の方が知っているかもしれないけれど、
そんな事よりもっと大切な事をたくさん身に付けてきた、頼もしくて愛すべき姉貴たち。
なんて言ったら失礼かな。
外で順番待ちをしている時も駄菓子屋みたいだと思っていたが、中に入ってもやっぱりそうだった。
店の大きさも焼いているおばちゃんも、まんま駄菓子屋。
ただし紋次郎イカの入ったガラスの壺も、小豆色の麩菓子も当然無く、あるのは年季の入った鉄板のみ。
それを囲んで食べる人たちと、それをまた囲んで順番を待ついわば中待合いの人たち。
ブレイクする前からカキオコを焼いてるおばちゃん達は、今の様子をどう思っているんだろう?
中待合い状態で焼いているカキオコを見ていると、どうも普通サイズでも手に余るような気が…。
結局、半分ずつでも十分満腹だった。
にもかかわらずbarbieさんは一人大盛り完食。 すげーぜ、アネキ(笑)
満腹感と鉄板からの熱気で一汗かいたけれど、体が冷える前にバイクに戻って出発。
赤穂ICから再び山陽道に乗る。
行きと同じく西宮名塩SAで解散したのは10時過ぎだったかな。
これから冬の間はどうなるか分からないが、また一緒に走る日が来るのはそう遠くないはず。
その時まで元気で、と口には出さずに走り出した。
ソロに戻って再び名神から新名神へ。分岐を過ぎるといきなり路上の空気が変わるようだ。
夜の新名神は空の闇が深くて、山の冷気に満ちている。
仲間とのツーリングの最後は、しばらく一人で走る距離がある方がいい。
走りながら感じたことを思い起こして考えたり、先導としてどうだったか振り返るのは自分にとって大事な旅の一部。
そうして心のメモに書き込んだことが、いつの日か役に立ったりする、場合もある。
あー、楽しかった、だけでは終わらせないのだ。