北海道編最後は、旅の間の視線をまとめて。
いつかまた、出かける日のために。
天候には恵まれない今回の旅だったけれども、実は名古屋港からの海路は
澄み切った青空の下だった。
正直、フェリーに乗ってる時は雨でもなんでも全然構わないのに、
梅雨真っ盛りの6月末とは思えないこの空。
太平洋の深いブルーの美しい事。
扉の写真は経由する仙台港到着時で、ここでもいい感じの夕日に見送られて
苫小牧へ。
北海道到着後は前述の通りで、せめてあと二日くらいずれてくれたら
旅の印象はずいぶん違ったと思うが、まあ現実は現実だ。
それでもいろんな所に行き、いろんなものを見て感じられたのは、
本当に良かったと思う。
距離を重ねる度に、積み重なった余分なものが剥がれ落ちて行くような気がした。
体調面で一番気になっていた肩凝りから来る頭痛は、
なぜか二日目くらいから消えていた。
体が何かを取り戻したのか、不思議でならない。
礼文島は最初立てたプランにはなかった場所だが、
地図を見ていたらなぜ行かないのかと思えてきて、
半ば強引に行程に組み込んだ。
なんでもその気にならないと、知らなかったことは見えてこないのだ。
最北端のスコトン岬。
霧雨が降ったり止んだりで展望は開けなかったが、
霞んだ海と相まって最果て感たっぷり。
こちらは南の猫岩を望む展望台から。
どこかで見たような…と思ったら、ハワイにもこんな風景があったのを思い出した。
もちろん空気感は全然違うけど、どちらもジュラシックパークのような山肌。
今回、妻はセントレアから女満別空港への空路で。
こういう地方の空港から始める旅をしてみたいとずっと思っていたけれど、
そこへ迎えに行く事になるとは。
バイク用駐車場もちゃんとありました。
でも例によってとてもわかりにくい。
出口ゲートのすき間を逆走して入るなんて、言われなかったら気が付かない…。
野付半島では野生の鹿に出会った。
妻が尾行を始めても(笑)、微妙な間隔は保つものの、
あまり警戒する様子がない。
近くに山や森もないのにどこから来たんだろうと思ったが、
元々この細長い半島の茂みで生まれ育ったのか。
さすが北海道。
雨や雲の低い写真が多いけれど、たまにはこんな空の下を走れた事も。
乾いているって素晴らしい。
どこを見てもきれい。
本当にそんな事ばかり、インカム越しに話していた。
この時ばかりはお天気の神様に、感謝。
***
今年16年目になるTDMは、私達と二人分の荷物を事もなく引き受けて2000km走り、
身に付けた装備は不足なく、雨風から守ってくれた。
天気がどうのとは言うものの、行程を狂わせるようなトラブルも無く、
総じて見れば良い旅だった。
とはいえ、行くつもりでいたのにいろんな都合であきらめた場所もあるし、
もう一度訪れてみたい所もいくつかできた。
今度はあまり間を置かないうちに、また行こうと思っている。
その時は、こんな空が続くのを願って。