今年は本栖湖で揃って、伊豆半島の付け根を目指した。
今年は本栖湖で揃って、伊豆半島の付け根を目指した。
と、こんな写真で始めてみるけれども、ほぼ毎回雨の風情も楽しむ事になっている我々は、
今回も例外ではなく。
前夜の予報では、harryさんと落ち合う諏訪湖PA辺りは小雨かも…?という
感じだったのだが、家を出る時から170km先の諏訪湖まで、雨装備の具合を試すような
雨が続く(笑)。
中央道双葉Jctから中部横断道で南下しても雨。
rascalさんと合流する本栖湖まで来てもやはり雨。
せっかく正面に富士山がどどんと拝める場所を選んでも、辺り一面雲で真っ白では意味がない。
カメラを出すこともなく、とっとと先に進もうと走り出した。
最初に寄ったのは朝霧高原の道の駅の先にある、あさぎりフードパーク。
干し芋や芋けんぴの専門店があるので、寄って行こうという事になっていたのだ。
なんだか嗜好がおっさんを通り越してじいちゃんみたいだが、
昔ながらの加工食品のシンプルな美味さは、やはりいいなと思ってしまう。
昼はharryさんのリクエストで富士宮焼きそばを。
rascalさんお気に入りの店で、自分はしぐれ焼きという広島焼き的なものを頼んだ。
民家の引き戸を開けると土間があり、そこに鉄板を囲んだ椅子が並んでいる、というのは
以前、瀬戸内で寄った日生のカキオコの店に雰囲気がそっくり。
もともと焼きそばやお好み焼きは、こういう場所で食べるものだったのかもしれない。
午後になると雨間が出てきたものの、この日はどうやら雨雲の動きに合わせて移動していたらしい。
雨具のまま寄り道しても…と、このまま早めに宿に向うことになった。
一旦東名に乗り、伊豆縦貫道―伊豆中央道と繋いで修善寺を抜け、戸田へ。
どこか海の近さが感じ取れる住宅地の、こぢんまりとした漁師宿が今回の宿だった。
夕食は心尽くしの海の幸、といった品々がテーブルいっぱいに並んだ。
そしてこの辺りならではのタカアシガニが。
rascalさんはカニが冷めていたのが残念…と書いていたけれど、
私は初タカアシガニだった事もあって、それなりに楽しめたな。
他にも地物なのかあまり見かけない姿の、エビのお造りはさすがの美味しさ。
満ち足りた気分で部屋に戻り、旅先の夜を満喫したのだった。
***
翌日にはすっかり雨も上がっていた。
11月とは思えない暖かな朝で、ミラーにかけておいたカッパも早々に乾いていた。
今日はいい天気になりそうだ。
朝食はありがちな温泉卵や味付け海苔ではなく、魚介の小鉢でご飯が進む。
味噌汁は豪快に海老が出汁に使われていて、海辺ならではの味わいだった。
さあ、行きますか。
雨上がりの風が朝靄をすっかり吹き飛ばし、やけに景色がくっきり見える中を走り出す。
入り江の向こうは大瀬崎。
現地では雲だとばかり思ってたけど、ここではかろうじて富士山が頭を出してたんだね。
気が付かなかった!
中央道で東西へ分かれるharryさん・rascalさんは、昨日と概ね同じルートを
逆に取る事になるけれども、愛知へ帰る自分は単純に沼津辺りから、東名か新東名に乗るのが
一番手っ取り早い。
でもそれではいきなり単調な帰り道になってしまうし、どうせならどこかで紅葉でも見たいよねと、
結局自分も北回りの中央道ルートで帰る事に。
昨日に続いての朝霧高原で昼食を取った後、今度は精進湖に寄ってみた。
内陸に進むにつれ、朝のうちの陽射しに満ちた明るさから、雲が低く寒々しい空になっていた。
空気はひんやりとして、辺りは晩秋のような色合い。
でもそんな風景をオートバイに乗って見たいから、自分はここにいる。
湖畔の紅葉を見上げて、最近忘れそうになっていた何かを思い出したような気がした。
R358からの分岐で東に向かうrascalさんと別れた後は、甲府南から中央道へ。
往路とは逆側の諏訪湖PAに入る頃にはそろそろ日没の気配が。
じゃあまた来年、とharryさんを見送った後、いつもより入念にストレッチをしてから
走り出した。
***
そんな今年の秋ツーリングだったのだが、一番記憶に残ったのは実は雨でも紅葉でもなく、
終盤の肩凝りから来る頭痛(笑)。
もともと肩凝りには縁のない体質で、それがどういう感覚だか分からないくらいだったのだけれど、
ここ数年で体質が変わったのか、時々凝りとそれに伴う頭痛に悩まされるようになってきた。
オートバイに乗る乗らないには関わらず、時には朝の寝起きから肩がこわばり、頭痛がしている事も。
寝てる時は弛緩してるもんだとばかり思っていたのに、なにを無駄に力んでいるんだか。
今回も朝、少し予兆じみたものがあったと思ったら後半けっこう辛くなって、
諏訪湖ではこの状態でまだ170km… などと思ってしまったのだが、
そこからなんとか持ち直して、ソロの帰り道はそれほどでもなかったのが幸いだった。
これは年齢もさることながら、オートバイに長時間乗る頻度が減って、
無意識のうちに保ってきたライダーとしての基礎体力が落ちているのもあるんだろうな。
ツーリングの度にこんなだったら、オートバイは楽しい、なんてとても言ってられないけど、
幸いまだそうでもない。
でも、できるだけ長くそう言ってられるように、考える時期が来たのかもしれない。
なんてね。