ちょっと前の平日のある日。
午後から時間が取れたのでセローの1000キロ点検に行こうと
バイク屋の担当に連絡を入れると、今日は休みを貰ってるから店にはいないよ、との事。
そういう彼は高校時代からの友人でもあって、もう20年くらい前から我が家のバイクは
彼が担当になっている。
以前は平日に休みが合うと走りに行ったりもしたけれど、ここ何年かはそんな事もご無沙汰で、
点検は次回にするとして、久しぶりに少し走ろうかという事になった。
暦を戻したような残暑の午後。
愛知から岐阜の県境、R19の内津峠を越えて多治見の入り口にあるコンビニで待ち合わせた。
今はF700GSに乗る彼なので、自分はTDMで出動。
よく使う県道66よりもう少し南を、地元民じゃなかったら繋げられないような
ローカルルートで山あいを行く。
なんとなく見覚えのある雰囲気もあったのは、10代の頃、AR50やRG50Γで走った道も
通ったから、らしい。
もう30年以上前だもん、覚えてないよ。
お馴染みの県道66に出て、みさとの道の駅で蕎麦の実ソフトなんぞを食べながら一息。
おっさん二人が平日の午後に並んでアイス食ってるのもなんだけど、
ここの蕎麦アイスはなかなか美味いのですよ。
そうそう、今回はインカムで走りながら話す、というのを初体験したのだった。
といってもこれは担当君からの借り物。
消去法の末、結局サイトがチャラいだのなんだのと散々言っていたB+COMに決めて、
あんまり値段も変わらないなら最新の6Xにするか、妻とタンデムも考えてるからツインパックか、
と頼んでもらったところ、あっさり欠品中で納期未定との返答が…。
まあ、後でキャンセルでもいいから、待ってる間にどんなものか使ってみたら?と、
手持ちの旧モデルを借してもらうことになったのがこれ。
3世代くらい前のモデルらしいが、ナビの音声ガイドも通話も予想よりずっとクリアで、
ソロならこれくらいでも十分だと思えてくる。
などと書きながらなにげにAmazonを見てみたら、発売後一瞬で完売になった6Xが
ここへきて在庫がちょっぴり出てるでないの…。
なのに1クリックで購入もせず、ここでこんな事を書いている私がいるんだが(笑)。
それはそれとして、オートバイを運転しながら話をするというのは、
クルマを走らせながらとは全く異なる、とても新鮮な体験だった。
必要な情報や意思を共有しつつ走るというのは、安全にも繋がるし、やはり便利。
オートバイという乗り物に、便利なんて言葉はそぐわない気もするけれど。
ただ、オートバイの運転に必要な、常に感覚を外に向け続ける気持ちが、
多少でも会話に引っ張られるような気がしたのは、慣れてないから、かな。
まあ、インカム越しにシリアスな話をする人も、あんまりいないと思うけどね。
***
北へ向かって木曽川を越え、山の向こうのR41経由で帰るつもりが、
入った3桁の県道は、台風の置き土産の崩落で通行止め。
なんとか迂回できるルートを探してR41に出た頃には、そろそろ日が沈む頃。
日中は季節外れの残暑でも、もうずいぶんと暗くなるのが早くなった。
すっかり秋なのだ。
そろそろ自販機にはホットが欲しいよな、なんて話しながら、七宗の道の駅で一休みした後、
すっかり暗くなった国道を帰った。
久しぶりで楽しかったよ。
また、走ろうぜ。