Dトラッカーに乗るようになったのは2000年の秋。
今年でもう17年になる。
しばらく前からいろいろと考えていたのだけれど、ここで手放す事にした。
もちろん、乗っても楽しくなくなったわけじゃない。
身の丈に合う車体と、手の内から溢れ出ることのない力の組み合わせで
常に答えを出しながら走るのは、大排気量のオートバイからは得られない二輪の醍醐味だ。
けれどもしばらく前から、そうした事に触れる時間がめっきり減ってしまった。
時間は作るもの?
その通り、言い訳はするまい。
ただ、オートバイにどこか煮詰まっているような気がしていた事は確か。
こういう時は、なにか決断をする時なのだ。
こうしてDトラッカーは去っていった。
でも、小さなマシンからすっぱりと離れてしまうのは、やはり寂しい。
***
そこでセローに乗る事にした。
前にオートバイに煮詰まった時は、限定解除をするべく試験場に向かった。
今度はセローでどこへ向かうのか、ぼんやりとではあるけれど、その風景は見えている。