そろそろ日中は、メッシュのジャケットでもいいくらいの陽気になってきた。
でも朝晩はまだ充分涼しいし、山へ向かった時はナメた格好だと寒さに震えることもある。
そんな時期は、メッシュジャケットの下に防風インナーを着込む方法もあるが、
個人的にはそれは夏の非常用だと思っているので、まだ3シーズン用を着て出かける。
これまではペアスロープの、もうとっくに廃盤になってしまった繊維ジャケットで
レザーで言うとG-300D的な高速巡航仕様のをずっと着てきたけれど、
ちょっと気分を換えてみたくなっていた。
もうすこし気楽な感じに見えて、できれば守備範囲の広いものがいい。
防風性とベンチレーションで、朝晩や山の冷気から汗ばむ陽気までまでカバーできるならベスト。
予算と好みとサイズ感を合わせると、そんな都合のいいものはなかなか見つけられないが、
この春は思い切って、パワーエイジのPJ-560 WSストリートパーカーというのを買ってみた。
171cm 56kgの私が着るとこんな感じ。
黒もあるんだけど基本、オートバイ用の上着で黒はあまり選ばないのでカーキを。
この色だと何でもミリタリー調になってしまうのは仕方がないなぁ…。
以前ここのメッシュジャケットを買ったときにはMだったのに、今回は明らかに窮屈だったのでLを選択。
それでも肩周りはジャストだった。
念のために言っておくが、私が大きくなったわけではないよ。
こう見えても皮下脂肪率11%だ。
だいたいこのメーカーはやけに細身の作りなのでそういうことになったらしい。
素材はジャージのような柔らかさで、バイク用のジャケットにしてははなはだ頼りないが、
ゴア・ウインドストッパーというだけあって、本当に風を通さない。
前記事の朝の高速でも、冷気が浸み込んでくるような感覚はなくてちょっと驚いた。
それと相反するように、大きなベンチレーションを持つのがこのジャケットの特徴。
脇腹の後ろにも排気用があって、ちゃんと前から入って後ろへ抜けるようになっている。
25℃以上あるとさすがにメッシュのような涼しさはないけれど、熱のこもりは大幅に減るので
今時分なら充分しのげる。
袖口はファスナーで閉じるが、これだけだと袖口から風が入るのは、あえてそういう設定とみた。
寒いときは手首をさらにベルクロで締めて、寒気の進入を防ぐようになっている。
はじめはどちらかでいいのに思ったけど、着て走ってみたらその意図が分かった。
製品の性格上、通気と防風の両立を考えた結果なんだろうな。
先端にボタンの付いているベルトは、プロテクターのずれ防止らしい。
肩肘背中に入るそのプロテクターは、よくあるメッシュ型のパッド入り。
正直そのままでは心許ないのでグレードアップしたいところだが、
パッドを入れる袋があまりにジャストすぎて、これ以外は受け付けてくれないのが減点。
減点ついでに言うと、このロゴの下の中二的イラストは頼むからやめてほしい。
今回は目をつぶって買ったけど、いつもこれを見るたびに買う気がうせる。
たぶん見てないと思うけど、メーカーの中の人が見てたら、ぜひご一考願いたい。
襟はライダースにはよくあるスタンド型。
バイク用には四季を通してこういうタイプが一番好きだが、襟元を開けて走りたいときのために
フラップの先を止めておけるような工夫があると良かったな。
左右のループは取外しできるフードのため。
ところで近頃は各メーカーともに、フード付きのジャケットやパーカーをラインナップするようになったが、
あれはいったいなんなのだろう?
走行中は役に立たなさそうだし、風をはらんでメットの下に風船を作っているようなのに到っては
どう考えてもカッコいいとは思えない。
バイク用ジャケットにおけるフードに意義を見出せない私は、脱着式なのを良いことに
手元に来るなり外してしまった。
というか、外すの前提の購入。
フードのある後姿がいい、というのはなんとなくわかるけどね。
みんな、フード好きなんだねぇ…。
さてバイク用のジャケットだから、立ち姿よりも乗車姿勢だと思うので、そんな写真も載せておこう。
バッグの口が閉じ忘れなのは見逃してください。
生地の柔らかさで、背中の薄いパッドもかなり存在感を高めているような。
脇腹が開いているのはベンチレーションを開けているから。
閉じると、かなりすっきりした具合になる。
ウエストを絞るベルトがないので、ずどーんとした腰周りになるかと思ったらそうでもない。
上からヒップバックを付けてもいいかも。
という写真を見れば分かるように、地味目ではあるけれど、
街で着る、あるいはアウトドア用のアウターとは明らかに異質。
よく聞くようになった、普段着風のバイク用を狙うならこれは違う。
ていうか、そんなのはないからね、はっきり言うと。
オートバイに乗って走る、という事に向けて真面目に作られたウェアは、
誰が見ても、ああ、バイクの人ねと分かるようになってしまうのは仕方がない。
だってそのためのものなんだもの。
でも、昔からあるようなコテコテのバイク用も知ってるんだけど、もうちょっとこう… という、
隙間を探している人にはいいかもしれない。
私もそんな一人だったりする。
軟派な見た目のわりには考えて作られているし、ちょい乗りからしっかり走るツーリングまで
守備範囲は広そう。
長く着られるといいな。