胸部プロテクターについて、しばらく前から考えていた。
防護性能はもちろん、着け心地、脱着のしやすさ、価格。
そして手持ちのジャケットの下に無理なく着けられるか、等々。
すべての面でいいと思えるものは、現状ではどうやら無いようだし、たぶんこれからも同じだろう。
それらを踏まえていろんなバランスを考えたら、とりあえずはこういう選択になった。
胸部プロテクターについて、しばらく前から考えていた。
防護性能はもちろん、着け心地、脱着のしやすさ、価格。
そして手持ちのジャケットの下に無理なく着けられるか、等々。
すべての面でいいと思えるものは、現状ではどうやら無いようだし、たぶんこれからも同じだろう。
それらを踏まえていろんなバランスを考えたら、とりあえずはこういう選択になった。
胸部プロテクター単体をジャケットに止める方法は、今回は考えなかった。
手持ちのジャケットすべてに固定用のボタンなりマジックテープなりを縫い付ける必要があるし、
体にぴったり着けてしまった方が重さが気にならないんじゃないか。
背中に回したベルトで直接胸に付ける方式のも、
同時に脊髄パッドの強化を両立させたかったので見送ることに。
そんな理由からホンダ、コミネ、シールズ、GOLDWINなどで、
胸と背中をカバーする物を選ぶつもりだった。
ダイネーゼとアルパインスター、spidiは予算オーバーで残念ながら除外。
けれどもそれらを合わせても、いざというときに最大限の役目を果たし、
しかも四季を通じて着ける気になるのは、現時点ではおそらくホンダのものだけだろうと考えていた。
多くの製品は外側に樹脂のシェル、内側に発泡ウレタンなどの緩衝材を組み合わせていて、
その緩衝材は材質的には保温材と同じ。
つまりキャンプ用の銀マットを、胸と背中に付けているのに近い。
寒いときは体温を蓄えて暖かいが、気温が高くても同様。
いくら通気の穴が開けられていても、夏場はさぞ暑いことだろう。
その点ホンダは中空構造のシェルで緩衝材を持たないから、
しなくてもいい保温をすることもない。
夏は暑いから着ける気にならないプロテクターなんて、意味がない。
持っているだけで身に着けていなかったら、それは持っていないのと同じだ。
けれども。
実は時々一緒に走るrascalさんが、ホンダのをすでに導入済みなので、
同じのにしてもつまらないな、とも思っていた。
とりあえず試着できるのはないものかとレーシングワールド名古屋へ行ったら
思いのほか品揃えが豊富で、いろいろと着比べた結果、論外だったキジマの4Rを選ぶ事に。
でもパッドは胸部・脊髄・尾骨部分ともに、発泡素材だったりする。
言ってる事とやってる事の整合性がないのはいつものことだが、これは後で整理しよう(笑)
まず、他にはない尾骨パッドが備わるのがポイント。
首の後ろからお尻にかかるくらいまでカバーされるものは少ない。
中途半端なハードタイプの脊髄パッドだけだと、バイクを降りたときにそれがお尻に乗ってしまって具合がよくないが、
首・脊髄・尾骨と分かれているから、背中から腰のラインに合いやすく感じた。
ただし背中のヘンな刺繍はない方が断然いいが。
171cm 56kgの私はMサイズで、Tシャツの上からでもぴったりのかなりタイトなシルエットだった。
付属するウエスベルトは、別に付けなくても充分フィットするので外している。
着用は前のファスナー一本で簡単。
脊髄パッドは発泡素材といえども、芯の入ったかなりがっちりしたもの。
CE規格をクリアしていて、厚みは20ミリ近くある。
[maniさん撮影]
おかげで上に着るジャケットによってはこんなふうにカタチが出てしまって、
後姿はすっきりとは言えず…。
というのはともかく、決め手となったのはこれ。
肝心な胸に入るのは芯の入ったソフトパッドだが、どういうわけかヒットエアの胸部プロテクターと
互換性があるのを発見。
これもホンダと同じく緩衝材を持たない中空タイプで、防護性も断然期待できる。
4Rのweb siteにもそういう記載はないし、店員さんも入れてみるまで気が付かなかったが、
若干縦が長いものの、パッドを入れるポケットにちゃんと収まる。
充分オプションとして使えそう。
という組み合わせで、先日の寸又峡ツーリング470kmを着けて走ってみた。
この時期に着る事が多いペアスロープのジャケットは、
タイト目の作りなのでその下に着込むとかなり張った感じになるが、違和感を感じるほどでもない。
もちろんこれだけの厚みの物を身に付けるのだから、装備感みたいなものはあるけれど、
それは慣れるべき事だろう。
ヒットエアのシェルは思ったより体に合って、ベストがフィットしているせいか
あまり重さは感じない。
それより脊髄パッドの厚みの方が気になったが、これは信頼性と引き換えだし。
他に適当なものがあれば、入替えてもいいと思っている。
ベスト本体のメッシュ地はかなり細かく、また脊髄パッドの入るスペースはメッシュではないので、
メッシュジャケットと合わせた場合でも、空気の抜けはあまり良くなさそうだ。
夏場の快適さでいえばやはり、ホンダには届かないだろうが、それは初めから納得済み。
今回はフィット感と背面のカバーに加えて、有効なオプションで選んだのだから。
ちなみに4Rのプロテクターベストが実売9450円、ヒットエアの胸部プロテクター3450円。
高いか安いか?
***
という、初めての胸部プロテクターの選択。
今後乗って出るときには街乗りでも必ず、となるかはわからないが、
少なくともツーリングには身に着けて行きたいと思っている。
普段より少しだけ懐を膨らませて走るのは、不思議な安心感があっていい。
ただ、初めてバイクに乗って過ごした17の夏の、
Tシャツの袖から背中を風が抜けていく感覚も忘れるつもりはない。
バイク乗りであり続けるのは、あの頃の私が思っていたよりうんと手間がかかる。
プロテクターを着ける手間が増えるくらい、面倒がってどうする。