山の桜を見ながらワインディングを流そうと、寸又峡へ行ってきた。
ちょうど一年前、季節外れの雪のため行けなかったツーリングを今度こそ。
山の桜を見ながらワインディングを流そうと、寸又峡へ行ってきた。
ちょうど一年前、季節外れの雪のため行けなかったツーリングを今度こそ。
日曜の朝、シバラクさん改めMcCoyさん、単二さんmaniさんの3人と
牧之原の茶畑を見下ろす公園で待ち合わせる事にした。
よくあるコンビニに集合というのはなにかと便利だったりするけれど、
こんな場所で落ち合うのもたまにはいい。
今回は少々高速が混もうがなんだろうが、箱根の時みたいな遅れは
絶対出さないつもりで早く出たので一番乗り。
がらんとした駐車場の中、道路から見える場所にTDMを停めた。
よく晴れた朝の冷気の中、自販機の缶コーヒーで小さく暖を取ったりしていると、
duke690のMcCoyさんが到着。
初めて見るdukeは、ある種の様式美さえ感じさせる不思議な造形。
作った人達との血の違いを感じさせてくれる。
そんな話をしているうちに、今回はTigerで出走の単二さんmaniさんも到着。
「なんでこんなに早いの?」なんて笑って言われるけど、いいんです。
今回は先に着いてみんなを待つというのも、自分の中では大事な目的だったから。
R473の桜トンネルは残念ながら葉桜で、ちょっと迷ったけれど山に入ってからもそんな場所はありそうだ。
そう思って先へ進むことにした。
途中、川根温泉の道の駅で小休止。
以前、別の仲間達と立ち寄ったときはSLを見ようと待ち構えていたんだっけ。
そんな事を思い出したが、今回はちょっと時間があり過ぎるらしい。
その代わり、こんな二両編成がやって来たのでせっかくだからお見送り。
手を振ると、ちゃんと乗客の方が振り返してくれるのがのどかでいい。
国道を離れ、広くなったり狭くなったりのワインディングをぐんぐん進んで行く。
一気に寸又峡のどん詰まりまで行くつもりはなかったが、立ち寄りたくなるような場所も見つからない。
そろそろ着きそうと思っていたところで、桃の花のピンクが目に付く広場の横にバイクを停めることにした。
奥の山には遅咲きの桜。
出来過ぎとも思えるくらいの山の色の中を、少し歩いてみる。
[McCoyさん撮影]
バイクに戻ったところで、ちょうど道も広いしクルマも来ないし、
ちょっと乗ってみます? となぜか試乗会が始まり、前後のコーナーを何度か往復することに。
dukeの700cc近くあるとは思えないほど滑らかな単気筒エンジンや、
かっちりとマスを集中させた車体から瑞々しく伝わる挙動。
あるいはTigerの独特な湧き上がり方のトルク感や、
まるで巨大な馬の手綱を握っているような、フロントからぐいぐいと曲がっていくハンドリング。
どちらも方向は異なっているのに、どちらも正解を感じさせる。
そんな事をほんの入口でも覗く事ができたのは、貴重な体験だった。
***
寸又峡の突き当たり、見覚えのある鳥居と桜の木の近くでバイクを降りたのは、昼少し前。
混み出す前に食事にすることにして、皆でとろろご飯やら鹿刺し!の昼ごはんを。
鹿って一度食べてみたいと思っていたんだけど、ここで出会うとは。
刺身と言いつつ、ルイベ状に凍ったのが出てきた。
そのためか匂いも味も、特徴的なものは感じられず。
もっと肉厚の、グリルみたいなので食べてみたい。
食後はお約束の吊り橋へ。
まぁ、腹ごなしにはちょうどいい。
とはいえ、この日の谷筋は風がかなり出ていて、笑えるほど揺れる。
なのにmaniさんは動画を撮りながらスタスタ…。
絶叫系ジェットコースターを検索すると、乗車中の動画も出てくるんだけど
そういうのってmaniさんみたいな人が撮ってるんだろうな。。
駐車場へ戻って一息入れた後は、ワインデング午後の部へ出発。
R362へ戻って静岡へ向かう山道を駆け下る。
[maniさん撮影]
地図には「果てしなく続く狭い山道」なんて書いてあったが、この日の我々にはあっという間。
コーナーを手繰り寄せ、自分の位置とエンジンの汲み出す力をやりくりし、ひたすら先へ視線を送り続け、
同時にミラーの中の仲間を目で追う。
旅先で時折感じる、不思議な時間の圧縮のようなものを感じながら先へ。
こうして、瞬く間に春の休日は過ぎて行った。
楽しい時間はあっという間。
それを繋げていくために、我々にはオートバイがあるのだ。