今回の旅の視線。
今回の旅の視線。
最北端の岬にて。
見渡す限り、刃物とドリルで滅茶苦茶に暴れ回った跡のような岩が続く。
いったいどういう仕掛けでこんな事になるのだろう?
満月の夜に来たら、他の星にいるような気分になりそうだ。
真栄田岬だったかな。
私達の姿を見るなりお愛想しに駆け寄ってきた、器量も性格もいい犬。
さっそく妻が「チャッピー」と命名。
ひとしきり遊んだら、他の家族連れの方へ嬉しそうに走っていった。
ご主人はどうしたのかと思ったら、後で海から上がったばかりのダイバーの横にいるのを見かける。
なるほど、だから一人で遊んでいたのか、と思うそばからまた他の観光客へお愛想に。
ダイバー氏は知らん顔。
…謎の島犬、チャッピー。
珊瑚のある浜辺は初めてだった。打ち寄せる波の音が、砂浜とは違う。
砂浜に珊瑚が打ち上げられているような浜辺だと、波に揉まれる珊瑚がからからと鳴るのだ。
不思議な波の音。
南の海の風情満点だけれど、もしかしたら喜んでばかりはいられないのかも。
だって、ここにあるのは死んだ珊瑚のなれの果て。
昔と比べたらどうなのかは知らないけれど、こういう珊瑚を敷き詰めたような浜辺が増えるのは、
決して良いことではないのだろうな。
***
サトウキビ畑の間に車を止めて、カメラ片手に散策していたときのこと。
車に戻ろうとしていると、ちょうど走ってきた車が停まり、じぃっと見つめられたと思ったら
窓が開いて手招きされる。
運転していたのは地元の人っぽいおじさん、というかおじいさん。
あ、こんなところに車を入れていたから怒られちゃうのかな、と思いきや…。
「写真、撮ってるの?」
はい…。
「そこの横を入っていくとね…」
と、おじさんは持っていた自分のIXYの画像を見せてくれる。
青い海と砂浜を持つ小さな入り江。どうやら秘密のビューポイントになっているらしい。
「ビールの箱が置いてあるからそこに乗って、日が射したときに撮るんだよ。」
という言葉を残し、彼は去っていった。
…。
まあ、せっかくだからと教えられたようにサトウキビ畑の横をずんずん進んでいくと、たしかに言葉通り…。
なるほど。
そこに上がると、かろうじて見える秘密の入り江。 ほおお。
なぜワタシに教えてくれる気になったのかわからないけれど、
こんな出会いがあったのは古宇利島。
***
備瀬という集落は、こんな並木の中にある。フク木並木というんだそうだ。
防風、防砂、防火などのためのものらしいが、緑と踏み固められた地面に独特の空気が漂う。
アスファルト舗装の照り返しが悪い冗談のように思えてくる、ひんやりとした人のための道。
ものすごくわざとらしいけど私が置いたわけじゃなく、たまたまそこにあった貝殻。
なにかのおまじないなのかお供えなのか。
目を反らした瞬間に消えていても、なるほどね、と思ってしまいそう。
***
そして夕日。
霧ヶ峰、因島に続いて沖縄と、あちこちの旅先でゆっくり日が沈むのが見られた今年。
イベント続きの秋から冬の始まりだったけど、今はもう、いつもの師走から暮れへ。
楽しかったなぁ。
これからも、たまにはこうありたいものです。
付き合ってくれた皆さんには Merry X'mas & Happy New Year.