この冬は例年より厳しかったが、そんな日々もいつの間にか過ぎ去り、
気がつけば梅が満開、日によっては桜の頃よりも暖かかったりする。
もうすっかり春、なのだ。
ここ何日かは、午後早めに仕事が片付く事があったので、
その度にセローで出かけてみた。
真冬の間のひと月ほど乗っていなくても、まだ新しいバッテリーとインジェクションのおかげで
いつでもセル一発。
しっぽをぶんぶん振る、散歩に行く前の犬みたいなやる気満々のアイドリングは、
こちらの気分も軽くなる。
ここは1月の終わり頃、仕事の途中で見つけた梅畑。
背景も余計なものが入らないから、花が咲く頃にカメラを持って来てみようと狙っていたのだけれど、
道路側からしかカメラを向けられないので、この時間にはまるっきり逆光になってしまう事が判明。
逆光は逆光で撮りようがあるとはいえ、今回はまったく冴えない写真になってしまって、がっくり。
よくある展開ですね(笑)。
余談だけど、久しぶりにモグラの掘り起こした跡をたくさん見て、ちょっと遠い目になってしまった。
子供の頃はどこにでもあったような気がするが、今の生活圏内はモグラの暮らせる環境では
ないのだろうな。
この辺りのように田んぼでも畑でもない、普通の土の地面というのは今や貴重なのかもしれない。
と、それだけではあんまりなので、代わりを探して里山的な風景の中を迷走。
TDMでも山道で似たような事をするが、踏み込む道の許容範囲の広さは歴然。
舗装が切れていても、砂地がぬかるみに変わっても、オートバイを進ませる楽しさに変わりはない。
本当に日暮れ近くになってからの日もあったけれど、まあそれはそれで。
1,2時間でも走って、時々停まってはどう切り取るのがいいのか考えながら
ファインダーを覗いていると、自分の内側のガサガサが剝がれていくような気がしてくる。
オートバイで遠くに行くのはもちろん心躍るけれど、
近くの道端でもそういうかけらはたくさん落ちている。
それに気が付く視線は、曇らせないように暮らして行きたい。