前記事のツーリングの少し前に、ヘルメットを替えた。
マルチテックは自家塗装したりして、愛着があるヘルメットだったが、
数えてみるともう8年目になる。
これまでに一度、内装のパッド類を全交換しているけれど、
ちょっと引っ張り過ぎたかという気がするし、そろそろ気分を変えたくなっていた。
で、あれこれ考えた末、今度はホーネットADVという選択に。
カテゴリーとしてはオフロードを含むツーリングに向けられているようだが、
守備範囲の広いTDMなら、こういうのもありかなと。
前記事のツーリングの少し前に、ヘルメットを替えた。
マルチテックは自家塗装したりして、愛着があるヘルメットだったが、
数えてみるともう8年目になる。
これまでに一度、内装のパッド類を全交換しているけれど、
ちょっと引っ張り過ぎたかという気がするし、そろそろ気分を変えたくなっていた。
で、あれこれ考えた末、今度はホーネットADVという選択に。
カテゴリーとしてはオフロードを含むツーリングに向けられているようだが、
守備範囲の広いTDMなら、こういうのもありかなと。
初めて手にした時の第一印象はやはり軽さ。
マルチテックが構造上、やや重めだったのは仕方のない事なんだけれども、
比べるまでもなくその差が感じられる。
試しに体重計で計ってみたら、マルチテック1.7㎏に対してホーネットは1.5㎏だった。
防具としてのヘルメットだから軽さより大事な事はいくつもあるが、
軽いのも性能の一部であるのは間違いない。
さらに軽いZ-7という選択もあったが、自分に合うのはこちらと思えたので。
走り出して感じたのは視界の広さ。
あまり気に留めなかった点だけど、オンロードのフルフェイスより開口部が大きいので、
特に上下方向が見やすくなったのは良かった。
そして新しいシールドシステムの効果なのか、バイザーという板を付けている割には
風切り音やロードノイズが小さく聞こえる。
なんでもシールドをスプリングで縁ゴムに引き寄せて、気密を高めているのだとか。
確かに脱着の際の感触が違うが、正直暗闇の中でもできたのは前の方式。
慣れや個体差もあるだろうけどね。
オフ用の特徴でもあるバイザーは高速巡行の風圧を考慮してか、かなり凝った形状。
その効果なのか高速道路の追越し車線に出ても、ここが受ける風圧を意識することはほとんどなかった。
また少し顎を引けば十分日除けとしても役目を果たしてくれるので、標準のクリアシールドでも
よほど太陽が低くない限り、眩しさはかなり抑えられる。
収納式インナーサンバイザーにも興味があったけれど、次回のお楽しみでいいや。
額のエアインテークは今どきのモデルとしては控え目で、
どこかで見たような…と思ったら、以前被っていたX-11と同じ形状だった。
頭頂部にもバイザーから導かれた風の取入口があるが、ベンチレーションに関しては
マルチテックの方が効果的だったかな。
ところで後頭部のエアダクトには、おそらくポリカーボネイトのクリアパーツで
こんなフィンが入れられていて、地味に手が込んでいる。
こういうところも「今」のSHOEIらしさなんだろうな。
全体の造形もそんな雰囲気で、同じ土俵に立つAraiのツアークロス3の、
堅実で端正ささえ感じさせるフォルムとは対極というか。
ある種の外連味さえ感じられるが、そういうのも含めて気に入ったホーネットADVなのだった。
harryさんの車載カメラより
ちなみにホーネットな私はこんな具合。
バイザーのせいで縦長のフルフェイスに見えるが、まあ全然普通だな。
それよりこの微妙な手は、何をやってた時だったのか(笑)。
***
さて、そんな訳でマルチテックは第一線を退き、
予備役としてもうしばらくの余生を送ることになった。
思えば今まで被ってきた中で、一番多くの友人と思える人たちと
走ったのが、このちょっと不細工で重いヘルメットだったような気がする。
ネットでの繋がりは、確かに私のオートバイ・ライフに幅と奥行きを与えてくれた。
同じ道を走り同じ風景を見て、手を振り合って別れてから、
今も変わらずその人「らしさ」を発信し続けてくれている人もいれば、
あれからどうしただろう、もうオートバイはやめてしまったかもしれないな、などと
ふと思い出す人もいる。
繋がりはいつか途切れるものだし、それを求めてオートバイに乗っているつもりなどない。
むしろ普段は逆。
でも、たまにそれがあったから、今だに乗り続けているのかもしれない。
ホーネットを被っている間にも、そんな出来事があるだろうか。