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たまには足を延ばしてみる。後編 [Ride]

二日目はR118を少し戻って会津西街道を南へ。

土地勘のある二人に混まない道を選んでもらって、まずは中禅寺湖を目指した。

中禅寺湖にて.JPG




紅葉の始まった絶好の好楽日和じゃなくても混んでいそうな日光を避けて、
今市から日光宇都宮道路でいろは坂の手前まで。
それでも登り始めれば日曜祭日の様子は想像したくないような交通量で、
連なる四輪に交じってひたすらタイトターンを切り返し、
ようやく中禅寺湖に着いたのは昼過ぎ。

ユーコンの前.JPG

ラスカルさんが久しぶりに来てみたかったという、金谷ホテルのカフェ ユーコンで昼食。
お昼時はとっくに過ぎているのにさすがの有名店は満席で、少々待っての入店に。

ユーコンの中.JPG

チキンかビーフか.JPG

いろんな意味でさすが老舗ホテルのカフェだねぇ、というビーフカレーを堪能した後は
いそいそと先へ。
この時点で2時過ぎ。
この先はそこだけでもツーリングのメインディッシュになりそうな、
戦場ヶ原や丸沼高原もスルーしてひたすらR120から145を西へ。

素敵な季節の秋だけど、つるべ落としの夕日は容赦なく暮れていく。
やっと嬬恋の入口まで来たのはとっぷりと日が落ちてからだった。

もう一走り.JPG

この日はいろは坂で霧が出ていた他は、気になる空模様はなかったけれど、
下から望む万座の山々は雲の中…。
ちょっと考えたが雨具はなしで、宿までもう一走りの万座ハイウェイへと向かった。

昨日に続いて真っ暗、というか、ヘッドライトが照らす範囲以外は真っ黒なワインディングを
ひたすら上って行くと、やがて断続的に深い霧が立ち込めたり、冷たい雨がシールドを叩く。
麓で見上げた雲に出入りしながら高度を上げているらしい。

全天候クルーザーのRTの強力なライトがあるとはいえ、
この状況でペースを保ったまま走れる機会もなかなかないなと、
ミラーに映るMysticの丸いヘッドライトを時おり確かめながら、先へ、先へ。
どこからか硫黄の匂いがする山道のどん詰まりを右に折れ、さらに進んだ先の宿にやっと到着。

やれやれと荷物を下ろしたのは万座ホテル聚楽という、
The 温泉旅館といった雰囲気の宿だった。
イマドキのモダンな内装に間接照明が浮かぶようなホテルより、こういった昭和な感じの
宿の方が落ち着いて好きだ。

トマトは残しました.JPG

揚げ物が多くないか.JPG

夕食は主菜付きのバイキング。
ここもそれぞれに、きちんと手が掛けられているのが感じられて満足できた。
箸休めに焼き栗なんかも用意されていたのが、個人的にはうれしかったな。

食後はこれぞ温泉という硫黄泉に浸かり、走り疲れた体をほぐして
早々に布団の中へ。
Zzzz…。




***




最終日の朝は曇り…ではなくて、これも雲が低いからだと思うが、
しっとりとした山の朝。
冷え込みはここでも無かった。

硫黄の匂い.JPG

聚楽.JPG

昨夜は暗くてよく分からなかったが、平日にもかかわらず駐車場は満車。
その中にぽつんと一台、Z750gpがいたのが目を引いた。

やはり洋食.JPG

朝の温泉と充実した食事で体も目を覚ましたことだし、行きますか。
きりりと冴えた青空の下を走り出した。

晴れてきた.JPG

まずは草津へ向かう事にして、R292を東へ。
このルートは今、草津白根山の噴火警戒のため日中のみ通行可能、駐停車も禁止という
火口周辺規制が出ている。
当然レストハウスの駐車場も閉鎖されていて、がらんとした風景の中を
高地特有の冷たい風が吹き抜けていた。
記憶の中にある、観光バスのひしめく賑わいが嘘のようだ。

草津に寄り道.JPG

草津に寄ったのはharryさん家のリクエストで、このかりんとう屋さんへ来るため。
入り組んだ温泉街には気楽にバイクを停めるスペースは無く、買い物をする間だけ
店の前に置かせてもらった。

北ルートも行けばよかったね.JPG

その後は嬬恋パノラマラインを流して南へ下り、佐久でたまたま見つけた蕎麦屋で昼に。
きのこざるそばを頼んだら温冷両方のつゆが付いてきて、温かいのもなかなかイイねと、
3人でうなずき合った。

ここから蓼科スカイラインへ入るルートも考えたけれど、最後はのどかな道で締めようと
素直にR299で麦草峠へ。

麦草峠へ.JPG

黄葉.JPG

茅野のインター付近は混むからと、あえて諏訪南へ下って早めの解散。
じゃあまた、と手を挙げてそれぞれの方角へ走り出した。
今回はよく走りました。

お疲れ!



Mystic.JPG

RT.JPG





***

誰もそうしようと言ってないのに、なぜか恒例になったこの秋のツーリング。
もう何年続けているんだろう?
春でも夏でもなく、皆がそろそろ冬支度を考えるこの時期の平日にあえて、
というのが自分たちらしくて、気に入っている。

そういえば他の2人は、オートバイでの慰安旅行、みたいな捉え方をしているけれど、
実は自分にはそういう思いがあまりない。
自営業という事も関係するのかもしれないが、そもそも平日に仕事を空けるやりくりをし、
多少のしわ寄せを自分でこなし、さらに長距離ライドの疲れを上乗せして帰るんだから、
体に対してはちっとも労をねぎらってない(笑)。

でもその中で何かを見つけて、感じて帰るからまた頑張れるし、
オートバイに対しても視野が広がると同時に、また前向きになれる。
旅を通じて自分だけでは気付かなかった事を見つけに行く、
discoverlyなツーリング、だと解釈している。

これからもそんな気持ちを心の片隅に置いて、
旅をしたいと思っています。

帰りはみんな一人.JPG

独りじゃないと気付かない事も、もちろんあるんだけどね…。





***








-おまけー

そういえば草津で買ったかりんとうが、思いのほかヒットだったので書いておこう。

湯上りかりんと.JPG

かりんとうに特化したお店というだけあって、店内には目移りするほど種類があったけれど、
手っ取り早く直感的に選んだのがこの二つ。

ピーナッツ.JPG

黒豆きなこ.JPG

上がピーナッツ、下は黒豆きなこ。
たぶんここの特徴だと思うが、どちらもかりんとうの持つ弱点をうまく克服しているというか、
揚げ菓子特有の重い甘さが感じられない。
味も食感も軽く、コーヒーともよく合ってあっという間に食べ切ってしまった。

他にどんなのがあったのかよく覚えてないのだが、今度はもうちょっとじっくり選んで
大事に食べようと思わせる、草津のかりんとうなのであった。


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コメント 5

harry

この3台で秋に出掛けるようになったのは2009年の木曽駒高原からだと思うので
もう8年目になるんですね。その前の2008年はもう少し大人数で
霧ヶ峰のコテージに泊ったんでした。ついこの間のような気もするけど。

自分は「何々を食べに行こうツーリング」とかいう目的の分かりやすい旅ではなくて
走る目的や理由はそれぞれなんだけど、到着したら温泉なりでのんびりする
ってところが「慰安旅行」なんだろうなあ、と思ってます。
仕事で泊る用事はあっても、翌日にもまだ旅が続いているというのは
年末年始の旅行くらいしかないので、なかなか新鮮な気持ちになるんですよね。
次回はタイアも新しくなっているので、もう少し無理できます(笑
3人揃って全然知らない場所、探しに行きましょう♪

by harry (2016-11-02 21:53) 

HIRO

こんにちは。
慰安つ〜?乙でした。
偶々、3人が揃って…ということで良いんじゃないですか?
by HIRO (2016-11-03 00:10) 

YASH

★harryさん
ああ、そういえばはじめはもう少し人数が多かったですね。
で、こんな事いつまでも続けてられないよ、と見放されて
3人が残ったと(笑)。

体を休ませるというより、心に水をやるというか、
個人的にはそんなイベントなのかな。
結果、体も平穏を取り戻すという…。
あと、「慰安」て響きが好きじゃないの。
それ、文字にしちゃいかんだろって気がします。

たまにはharryさんの行きたい場所でもいいんじゃないですか。
なにかリクエストして!

★HIROさん
>偶々、3人が揃って…
そうそう、要はそれがあるから毎年行く気になるのだと思います。
移動の際にもくつろいで話しているときも、
いろんな意味で面白いバランスをあったりして。
なのでたまに違う面子で行くとすごく新鮮に感じますね。
どちらも好きなのです。



by YASH (2016-11-04 21:38) 

rascal

先日仕事の合間にコメント書き込んだのに、何らかのエラーで反映されてない(涙)
送信ボタン押した後にチェックもせずに閉じたのが敗因です。

宿泊ツーリングの事の初めは、2008年も9月に行った五箇山じゃないかと思います。
まあ、一般的には会社勤めしていると・・・
暮れの忙しくなる前の10月後半から11月ごろに、日頃の労をねぎらい合う為の社員旅行があったりします。
その社員旅行に参加せずに、代わりにツーリングに行っているのです(笑)
お互いの労をねぎらう という意味では合っているワードだったりして。

オイラの場合は時間の都合は付くので・・・
四国でも九州でも良いですよ!!!
それとも、竹田城や熊野古道などが良いのかなぁ???



by rascal (2016-11-07 20:33) 

YASH

★rascalさん
コメントがないのは、まぁ楽しかったみたいだからいいか、
という事だと思ってましたが(笑)。

>日頃の労をねぎらい合う為
お互いの仕事を内容を知ってる間柄なら、
そういうのも有りでしょうね。
でも個人事業主だと、つい自分のことは自分でしか…という
考えになりがちで。
慣れてないんですね、きっと。

私も前もって分かればいくらでも都合は付きますが、
あまり付けてると翌月の生活に困るのでほどほどにしないと(泣笑)。
四国や小豆島もいいですね。

by YASH (2016-11-09 22:42) 

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