宿の部屋で荷物を下ろしたのは昼少し前。
さて何を食べようと歩き出して入ったのは広島焼きの店だった。
宿の部屋で荷物を下ろしたのは昼少し前。
さて何を食べようと歩き出して入ったのは広島焼きの店だった。
宿の近くには何軒か広島焼きの店があって、その中のひとつが「はぜや」というお店。
ここの特徴は中の焼きそばの麺がとても細くて、これがラーメンだとしても極細と言えるほど。
それがざくざくとした独特の食感を出していた。
どちらかといえば軽めのボリュームで、昼食向きかもしれない。
実際、背広姿のおとーさん達のランチと重なって、しばらく席が空くのを待つことになった。
ここ広島では、蕎麦やうどん、ラーメンのような位置付けなのかもしれない。
そして夕方にも広島焼き。
「侍」という店に入ってみた。
ここでは名前は忘れちゃったけど、ナントカという希少部位だかの肉入りを。
そばの太さは普通。
キャベツがしっかり入って、なおかつ肉の存在感もあって、かなりのボリュームだった。
これ一枚でお腹いっぱい。
たぶん無数にある店毎に特徴があって、地元の人はそれぞれ贔屓の店があるんだと思う。
一泊二日でそうそう広島焼きばかり食べ続ける訳にも行かないが、
別のエリアでもう二軒くらいは食べてみたかったかな。
ところで旅先での夕食なら、昼と同じじゃなくて、もうちょっとこう… と思うかもしれないが、
このあと予定があったので、とっとと済ませるにはこれくらいが丁度いいの。
広島といえば牡蠣。
牡蠣舟と呼ばれる施設もあるくらいで、その知名度は高いけど、
穴子もこの辺りでは特産らしく、あちこちで穴子料理の看板やのぼりを見かけた。
それならば、と宮島へ言った際には穴子丼と焼き牡蠣を。
鰻もいいけど、穴子は穴子で美味い。
将来鰻が本当に庶民の口に入らなくなったら、もうずっと穴子でもいいな。
焼き牡蠣は以前、鳥羽で飽きるほど食べたけど、本当はこれくらいの
物足りないくらいで収めとくのが、より美味しい食べ方なのかもしれない。
とにかく短い間だったからそれほどいろんなものを食べたわけでもないけれど、
今回の広島は買い食いや街の喫茶店のコーヒーや、お土産も含めても
ちょっと残念賞、というのがなかったのがフシギ。
***
さて、2日目に行った宮島のお話。
市内からのアクセスはいくつかあって、予定では広電とフェリーを乗り継いで行くつもりだったが、
前日の散歩で、宿の近くの川辺から連絡船が出ているのを発見。
乗り継ぎなしの船一本で行くのも面白いなという事に。
天気は打って変わって雨確定だったのが気になったが、朝の出航の時点では
まだ降り出してないのが救いだった。
どうでもいいけど運転席の椅子はレカロでした。
ここは外国の人々にも人気があるようで、いわば日本のモンサンミッシェルというところか。
ただ、こういう構造に想定外の人数が恒常的に訪れるとなると、
建物の消耗も激しくなるだろうから、今の人気は神社側にとっては痛し痒しなのかもしれない。
床がフローティング構造になっていて、高潮や台風のときでも床を潮位に合わせて動かすことにより、
損壊を最小限に抑える。
というのは聞いていたが、実際目の当たりにするとどういう仕組みになっているのか
だいたい見当が付くので、本当に感心してしまった。
今のような形になったのは平清盛の時代の1168年だそうで、
ということは、850年近く前の人々がコレ考えて作ったのかい!?
現代の我々と中世の人達とで、どっちが賢いかなんてあまり意味を持たない問いだけど、
手に入るもので創意工夫することに限れば、我々はあまり大きな顔はできないぞと、
そんな事も思ってしまった。
ところでここにも、奈良のように鹿の姿があちこちに。
ただ奈良の鹿と違って、なんかクレクレと迫ってきたりするような押しの強さはなく、
人に慣れてはいるが、擦り寄ってくることはせず、野生動物としての一線をわきまえている、ような感じがした。
これは発情期とか季節にもよるのかもしれないが、奈良の場合は街を挙げて鹿せんべいなんぞで、
餌付けしてしまったのも大きく係わっている気がしてならない。
野生動物の保護と単に食べ物を与えるというのは、全く別の行為のはずなんだけどね。
***
広島土産と言えば忘れちゃいけない、もみじ饅頭。
もちろん我が家も買いました。
いや、ネタじゃなくて好きなのさ。
鹿児島のかるかん饅頭も好きだけどね。
中が小倉あんのはお馴染みだけど、カスタードクリームにチョコクリームはともかく
イチゴミルクにメープルシュガー、チョコレートコーティングにチーズ入りまであるのは知らなかった。
外国人ツアーのガイドさんが、MOMIJIMANJYU is donut と言っていたが
まさしくそんな感じだ。
写真はバラ買いした栗あん。
悪くはないが、意外にカスタードクリームの方が好評だった。
そしてこれも知らなかったんだけど、レモン生産日本一は広島なんだそうだ。
なのでお土産やお菓子も、強力にレモン押しなのだった。
で、我が家はこんなのを買ってみた。
開けてみるとレモンおろしといった感じだが、その酸味より塩の方が強い。
帰った翌日はさっそくこれを使って、レモン焼き魚定食に。
魚もいいけど、焼肉にもよそさうだ。
最後になるが天明堂の鳳梨萬頭(おんらいまんとう)というお菓子があって、
実はデフォルトではパイナップル餡だそうだが、これのレモンをひとつだけ買ってみたところ、
えらくおいしかったのを加えておこう。
こんなことならちゃんと箱で買えば良かったなと、しかも写真も撮ってないし。
ネットで見ると地元ではかつてお使い物の代表格だったらしく、子供の頃から食べさせられ過ぎて
好きじゃなくなった、なんて話も。
なのでお年始の頂き物の中でもし持て余すようなら、ぜひ我が家に送って頂きたく。
責任を持ってお引き受けします。
***
そんな言葉で、今回の広島冬の旅はおしまいに。
来年はどんな年になるのやら。
でも知らない事への好奇心と、そこへ向かう一歩は
忘れないようにしたいと思います。
それでは皆さん、よいお年を !