私の体重は発汗の激しい夏場に少し減り、秋から冬にかけて自然に戻る、というのを
ほぼ毎年繰り返しながら、30代~40代でほんの少しづつ増えてきていた。
ここで具体的な数字を出すのもなんだけど、先の正月明けあたりの57キロ台がMAXだったろうか。
これでも人生最重だったのだが。
私の体重は発汗の激しい夏場に少し減り、秋から冬にかけて自然に戻る、というのを
ほぼ毎年繰り返しながら、30代~40代でほんの少しづつ増えてきていた。
ここで具体的な数字を出すのもなんだけど、先の正月明けあたりの57キロ台がMAXだったろうか。
これでも人生最重だったのだが。
この仕事をしている限り、腹など出るものか。
根拠もなくそう思っていたのに、その頃の自分の腹には見慣れない曲面が付きつつあって、
ある種の感慨すら覚えたものだ。
妻にはあなたのハラは少しくらい出て良い加減だわ、などと言われていたけれども。
身長が171cmなので、身長から割り出す標準体重には届かない。
でもライディングパンツのウエストが、変に余りなくぴったり履けるようになったことだし、
体が重くなっても困るからこのあたりをキープするようにしよう、と思っていたのはわずかな間。
2月の終わりにはなぜか53キロ台になっていた。
おかげで作業着やジーンズが軒並みブカブカに。
胸周りの肉も落ちてしまったので、これから薄着になっていくというのに何を着ても
かっこわるいのだ。
胃腸の調子が悪いような自覚はないし、ちゃんと食欲もある。
変に痛いところもない、夜は5秒もあれば寝付いてしまう。
当然、仕事も普通にしている。
忙しくはしていたけれども、このところは特別ハードでも、いつぞやみたいな魂を削り出して
埋め込んでいくような仕事でもない。
それにもう遅くまで残ってやることはやめたし、日曜はちゃんと休んでいる。
そういう面では痩せる心当たりがない。
もしかしてなにか病気の予兆が出ているのかもしれないと、
まとまった仕事を片付けたGWの連休明け、近くの病院に行ってみた。
事情を話して、とりあえず受けた血液検査ではほぼ全項目が標準値。
腫瘍マーカーも問題ないし、C型肝炎の心配もなし、ついでに梅毒の気配もない。
ここで紹介状書くから、一度精密検査受けてきなさいとか言われても困るが、
なにも出ないのもちょっと納得しかねる。
じゃあ、私のせっかく積み上げてきた体重はどこへ消えたのだ。
念のために胃カメラも飲んでみたら、ポリープが見つかった。
で、組織を採って検査したところ、とりあえずほっといてもいい類のものだそうだ。
よく聞くようになったピロリ菌もいないとのこと。
という訳でしばらく様子見という事になったが、どうもすっきりしない。
じゃあなんでこんなに痩せるんだ ?
と、さっきまた計ってみたら、夕飯を食べたばかりだと言うのについに52キロ台に突入していた…。
おいおい。
***
心当たりがないと書いたが、痩せ出したのと一致する事が実はひとつある。
この春先から、慢性の蕁麻疹がとてもひどい。
慢性蕁麻疹と一言に言っても、人によって様々なケースがあるものの、
メカニズムとしてはこういう事らしい。
自分の場合は元々皮膚の圧迫が引き金となっていて、もう何年も続いているので
抗ヒスタミン剤とひどい時限定のステロイドの内服でコントロールするのが日常になっている。
しかしこの春は、それがほとんど効かなかった。
落ち着いている時期は強い圧迫がない限り出る事はあまりないのだけれど、
この頃は寝ている時にできる、寝間着やシーツのシワが背中に当たっているだけで発現し、
体中に広がるという有様。
明け方、猛烈な痒みで目を覚まし、3Dの世界地図みたいになっている体にげんなりして朝を待つ。
朝になったからと言って消えはしないが、ピークを過ぎると徐々に引いて行くので、それを待つのだ。
ちなみに真皮の下の現象なので、塗り薬は効果がない
まあ、ひたすら痒い、焼け付くように痛痒いだけで死にはしない。
世の中もっとシリアスな症状と向き合ってる人が大勢いるんだから、
痒いくらいでそう凹んでいてどーする、とも思っていたが、
痒みと共に息苦しくなってきたら、迷ってないで救急車呼んでねと、かかりつけの皮膚科医に真顔で言われる。
気管や声帯に浮腫ができると、呼吸困難になるそうだ。
……。
なんて日々を過ごしていたのと痩せ出したのが、同じ頃のような気がする。
もちろんそのストレスはかなりのものだったはずだし、もしかしたら体内でヒスタミンを放出するのに、
あるいは血管外へ漏れ出た血漿を取り戻すのに、無自覚のうちに多くの体力が費やされたりするのかもしれない。
ただ、薬の処方を変えて落ち着いた今も、体重が戻らないのが解せない。
ただしそれは今のところ、一日一回のステロイド服用の上に成り立つ事になったのだが。
常用すべき薬ではないことは、自分も皮膚科医も共通の認識を持っているものの、
前の状態が続くなら、平常な心の状態がいつまで保てるかちょっと自信がない。
ひょっとすると薬の副作用的なものだったりするのかもしれないが、
今は薬の効能をリセットする気にはとてもなれない。
ネットで見かけるような、極論するとステロイドを飲み続けるなら死んだほうがマシ! とまでは
言えないのだ。
***
そんな事から、身の回りのことを少し考えるようになった。
体質だから仕方がない、と言ってしまえばお仕舞いだが、その体質を作った何かがあるかもしれない。
それが分かれば飲みたくない薬も飲まなくて済む。
そもそも元凶のヒスタミンは体内で作られると思っていたら、食べ物飲み物として体内に
入るのも多いのだとか。
高含有の食材をざっと上げてみると、牛・豚・鶏等肉類、コーヒー、チョコレート(カカオ)、そば、
餅、タコ、イカ、海老、アサリ、銀杏、ほうれん草、たけのこ、トマト、ビール、ワインなどなど、もうキリがない。
巷で人気のポリフェノールもリコピンも発ガン率低下も、蕁麻疹持ちにはご法度なんだと。
しかも大半が好きな物ばっかり…。
そんな事言ったら何を食べればいいのだ! となるので、ヒスタミン含有はあまり考えないことにする。
チキンカツも蕎麦もチョコもアサリの酒蒸しもタコぶつも青菜炒めもやめないぞ。
ただ、習慣として長い間続けてきたものは、一時的にやめてみた。
コーヒーはそろそろ一ヶ月飲んでない。
みんな気付いてないけどね、カフェインやめると出るんだよ。禁断症状。
その替わりはいろいろ調べて、とりあえずなたまめ茶。
口臭がどうのというのは知っていたけど、カフェインゼロでアレルギーにもいいとか。
そんな効能はともかく、なかなか好みの味、匂いなのは良かった。
夏は麦茶じゃなくてこれでもいいや。
ちなみになたまめコーヒーというのもあるが、これはまだ試していない。
そして大腸の状態と蕁麻疹は深い繋がりがあるそうで、腸内環境を整えるべく
朝はトーストの替わりにミューズリーを。
よくあるシリアルは甘すぎるし、こちらの方が余分なものが入ってないと思われるので。
よく噛まないと飲み込みにくいのもいい。
味はまあ、見た目の通り鳥の餌的だが、干し葡萄のおかげで自然な甘みがちゃんとある。
これに牛乳か豆乳をかけて食べる。意外にトーストよりお腹がふくれる。
その他、油はキャノーラ油からオリーブオイルに。
こういう事を進めていくと、やがて外食や外泊ができなくなるだろうが、
そこまで突き詰めようとは思っていない。
旅先の食堂で、見知らぬ食材の思わぬ味や食感に驚いたり、
宿の枕に非日常を嗅ぎ取りながら眠る夜を捨てるくらいなら、
時に暴れる体の中を、なんとか薬で抑えて暮らしていく方を選ぶ。
ほんの少し、暮らしの一部を変えてひと月。
どうなるか、どうしていくか。
答えはまだ出ていない。
***
☆おまけ☆
薬が変わると、どんなものなのかざっくりと調べることにしている。
と言っても自分にとって本当に大事な事は、検索なんかでは判りはしないのだろうが、
それでも一応は。
などと思いながら見ていたら、今度の薬はときに素敵な副作用があるらしいので載せておこう。
幸か不幸か、まだ感じたことはないけれども。