朝日と消灯。 [Ride]
休みのうちにTDMで海辺へ行きたいと思っていた。
しかも朝方。
できれば外海に面していて、早朝出て日の出前後には着ける場所がいい。
そこから海沿いにしばらく走って、昼過ぎには家に帰れるならなおいい。
地図を見ながら考え、思い当たったのは浜名湖の西の潮見坂辺り。
Googleのストリートビューで見てみると、浜名バイパスから海側の側道に出られそうなところもあるようだ。
よしよし。
という訳で1月4日の夜明け前は、東名高速を東へ向かっていた。
時刻は6時少し前、路上の気温表示は3℃を示している。
通常の冬装備にオーバーパンツ、胸部プロテクターと脊髄パッドの体側には貼るカイロを。
体幹と下半身の防寒ができているので、このくらいの気温なら夜明け前の高速でも寒くはないが、
さすがに指先だけは痺れるような冷たさが、時間と共に浸み込んでくる。
そろそろグリップヒーターを真剣に考えたほうが良さそうだ。
そんな事を思いながらとりあえず豊川I.Cへ。
あとは国道1号線をまっすぐ行くか、R23の豊橋バイパスでもいい。
豊川稲荷の初詣渋滞も、暗いうちなら大丈夫だろう。
と、読んでいたのだけれど、現実はそうでもなかった。
早々に岡崎から豊川まで120分の表示が…!
まさかこんな時間から初詣へ押し寄せているのかと思ったら、どうやら事故渋滞らしい。
岡崎I.Cを過ぎると三車線はすっかりノロノロ、やがて二車線へと絞られて更にノロノロが加速。
このままでは高速上で日の出を拝むことになりそうなので、音羽蒲郡から下道へ降りる事にした。
少しずつ明るくなってきた1号線には車も少なく、快調そのもの。
やがて豊橋の市街で、東の空がオレンジ色に染り始めた。
路面電車の架線をシルエットに信号待ちで見た空が、後で思えばこの日のハイライトだったような。
とほほ。
***
結局、潮見坂の道の駅を過ぎて海沿いの側道へ入ったのは、日が昇り切ってからだった。
日の出直後のまばゆいオレンジ色はどこへやら、少しずつ雲が出始めて、冬の朝らしいこんな空に。
ま、現実はこんなもんだ。
ところで今回は思うところあって、S110の代わりに妻のカメラを持ってきた。
白いボディと革のストラップは妻の選択。
このCASIO ZR100は2年前、ハワイへ行く前に型落ちになっていたのを買ったもので、
今も続くZRシリーズとしては初期のモデルになる。
今となっては起動時、ほんの少し待たされる感じがあるが、
AFを含めた動作のキビキビ感は、いまだに色褪せてはいない。
コントラストとシャープネスが強めの描写は、パキッとし過ぎにも見えるけれども、
300mmまでの望遠側と連写合成のHDR機能が、たまに使うと面白いのだ。
そのHDRで撮ってみるとこんな感じ。
雰囲気は伝わるがどこか自然ではないのは、露出をずらして撮った複数枚の合成だからだろうな。
状況によってはレフで光をやわらかく起こしたような、かなり自然な感じになる時があるものの、
今回はなんかこう、舞台照明みたいになってしまった…。
あと、絞り込んだ画像が混じるので、やけに被写界深度が深くなる。
カメラ内の処理にもよるのだと思うが、見ようによっては絵みたいになってしまうのも残念。
とはいえ自分はこういう写真を、作り物とかまがい物という気はさらさらない。
ごく当たり前に見える、あるいはそう見えても実は主題を最優先させたような、
補正を感じさせない補正が理想ではあるけれども。
すっかり明るくなった頃は、渥美半島の付け根を西へ。
真冬でもこの辺りは葉物の栽培が盛んで、今はあちこちで冬キャベツが見られる。
こうして見ると春のように思えてくるが、風はやっぱり冷たい。
途中、農道から海辺に出られるような道はないかと幹線を離れてみたが、
そういう穴場的な場所はサーファー達のバンがひしめくように停まっている。
オートバイなどお呼びでない、といった雰囲気だったので、すごすごと退散。。
***
蒲郡を過ぎた辺りで信号待ちをしている時、
前の車にヘッドライトの映り込みが無くなっているのに気付いた。
どうやらバルブ切れらしい。
明るいうちに帰るつもりなので、どうしてもライトが点かないと困ることはなさそうだが、
途中で何があるか分からない。
生きているハイビーム側のバルブと入替えておくかと、前日にデミオで来た吉良の港の公園へ。
ベンチの横に停めて、休憩しがてらバルブを外してみると…。
なるほど。
この手のハイワッテージ・バルブは純正より寿命が短いそうで、
いい機会だから今度はHIDに替えるか、それとも…。
などと考えつつ、ハイビーム側と入替え。
TDMのライトは通常片側のみの点灯で、Hiにすると左右が点灯するタイプ。
デュアルライトなのに普段は片目なのがなんだかもったいないが、
個人的にはそんな非対称なところも気に入っている。
すみませんね、親バカで。
さて、冬の朝らしい一枚を逃してしまった事だし、
次を考えなければ。
その前にヘッドライトもなんとかせねば。
という、オートバイのある暮らしは今年も続くのでした。
最近、写真を取り込んだ後にあまり補正しないようにしたいなと思っていて
影が暗く潰れているのは、実際にそういう風景だったのなら良いじゃないか
とも思ったり、でも見えてたはずのものが写真では見えなくなっているような
気がしてやっぱり少しずつ補正してみたり...
時間掛けてセッティングした舞台照明を当ててもらったようなTDMの姿に
写真によっては記事の印象まで少し変わってくるものだなぁ、と。
カメラって面白いですね。
by harry (2014-01-12 08:13)
こんにちは。
寒い中お疲れ様です。
ウチも取り込んだ画像を処理して元画像の方が良いと思う時には戻したりしてます。
ライトの玉切れは、気になりますね。
by HIRO (2014-01-12 12:26)
僕は、フィルム時代から
補正をしたくて、しかたありませんでした。
理由は、見たままではないからです。
デジタルになって
写真の再現力は広がって
人が見たままに
近づけられるようになりました。
(まだまだだけど)
僕は、カメラが出した絵は
そのまま使いません。
それは
自分のイメージと
違うからです。
あ、すいません
マジ、語っちゃいました。。。(苦笑
by FTドルフィン (2014-01-12 19:47)
カシオのデジカメは大胆な補正をするものもありますけど、
最近、それもまたアリじゃないかなと思うようになって
きました。真面目一辺倒なのが正しいのかもしれません
けど、それだけじゃ面白くないですし(笑)
by うえいぱうわ (2014-01-13 01:23)
★harryさん
自分はけっこう、ガンマカーブとかいじりますよ。
順光下の記念撮影はともかく、朝や夕方や、
特になにげないものがドキッとするような光の時は
見た印象のようにはまず写らないでしょ。
カメラを向ける時のドキドキ感を、モニタを見ながら再現するのも
写真の楽しさだなあなんて思います。
今回の舞台っぽさは、HDRの効果よりも
わざとらしい階段と枯れ木のせいかもね。(笑)
実際そこにあったんだから仕方ないんだけど…。
★HIROさん
昔と比べると、着るものの暖かさや保温性はすごく良くなりましたね。
でもやっぱり、指先だけはグローブの限界を感じています。
LEDのバルブなら玉切れの心配はないですが、まだいろいろ問題が
あるようなので、今のところHIDを検討中であります。
ただ、ハロゲンの色もやっぱりいいなと思い直したりしてますが。
★FTドルフィンさん
どんどんマジで語ってください(笑)
今でも露出の基準は18%グレーとか言うのかわかりませんが、
カメラの露出制御がいくら良くなったとはいえ、まだまだ自分の見た
印象のようには写らないですよね。
思うに我々が求めているのは、写実としての映像じゃなくて、
その時感じた印象ではないでしょうか。
これはカメラにはわかりっこない。
だから後から少しでも、それに近付けたくなるんだと思います
★うえいぱうわさん
個人的にはカシオははっきりくっきりはしてるものの、
彩度なんかはおとなし目に感じます。
むしろキヤノンやパナソニックの方が、確かにきれいなんだけど
印象から少し離れた色に思えますね。
見た目に忠実、というより自分が感じた色彩や陰影を残したいものです。
by YASH (2014-01-13 22:19)