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忘れても、思い出す道。 [Ride]

翌朝は市原SAでなおネィさんと待ち合わせて、海ほたるへ。

初めて走るアクアラインは、まるで東京湾に乗り出して行くようだ。
けれどもこの日は残念ながら分厚い雲の下、見渡す海と空は彼方で白く解け合いそう。

ぼんやり.jpg

おまけにAPECの警備車両の隊列にはまり込んでしまった。

2台でちょっと固まり気味に到着。



海ほたるでは単二さん、maniさんが待っていてくれた。
去年、箱根で会ってからほぼ一年ぶり。
あの時は短い間だったけれども、今日はルートの提案もして頂いて、
房総をたっぷり堪能できそう。

続いてなおネィさんのバイク仲間のうっちーさんも到着。
今日はこの5人、4台で走る。
誰かと走るなら、これくらいのコンパクトなパーティが好きだ。

m&n.jpg

海ほたるはサービスエリアというより、もはや海上のショッピングモールといった雰囲気。
展望レストランのようなベーカリーで朝食の後、落花生を売っているのを見つけて試食、さっそく一袋お買い上げ。

そこからUターンして、再び館山道へ向かう。
高速を降りた後は、木々の色付く山あいの県道へ。
単二さんの駆る990SMの先導で、ワインディングあり撮影スポットありの山間路を
小気味良いペースで行く。

with 単二さん&maniさん.jpgwith なおネィさん.jpg
with うっちーさん.jpgwith 自分.jpg

thaks! なおネィさん.jpg

考えてみればちゃんと一緒に走るのは初めての人達なのに、ほとんどそんな気がしない。
この妙な一体感はなんだろう?

先行するオフホワイトの背中のエンブレムと、ミラーの中に光るリング状のポジションランプ、
続くワインレッドの車体を見ながら、時々そんな事を思っていた。



シラハマアパートメント.jpg

昼は単二さんが以前書かれていた、シラハマアパートメントのカフェで。

カフェと言っても海沿いにありがちな、小洒落た喫茶店ではない。
暖かみ伝わる手作り感にツボを押さえたインテリア、大きな窓の向こうに広がる海。
それらが相まってなんとも言えず居心地がいいし、ランチもおいしい。

チリビーンズの下はポテト.jpg

この日は天気がいまひとつだったからか、お昼時にも関わらず我々だけだった。
目立たないといえばそうなんだけど、こんな気持ちのいい店なのにちょっともったいない。
かといって有名になって混雑するようになるのは残念な気もする。

近くに住んでいたら雨の日曜に来てみたい。
海を見ながら時間をかけてランチとコーヒーを楽しめば、かなり幸せな午後を過ごせそうだ。


午後は主に内房の海沿いを淡々と北上。

フェリーに乗る金谷がそろそろ近くなってきた辺りで、トンネルを抜けてすぐ脇道へ入る。
突き当たりは海に向かった断崖。
はてここは? と思ったら、関東のブロガーさんの記事で時おり目にする、音楽喫茶「岬」だった。

岬にて.jpg

いい一日だった。
たぶんみんなそう思いながら、カップを傾けただろう。
テラスのベンチ席で話した事も見た風景も、海からの風もそれにふさわしく感じられて。

ただし、それもやがては積み重なる日々の記憶に埋もれていくはずだ。
いくら楽しかった思い出でも、時が経つにつれその印象は薄らいでいく。
それは仕方のない事。

けれども、ふと漂う沈黙の後ろで流れていた曲をこれから耳にする度、
私はこの日、ここで4人と過ごした事を、走った道を鮮やかに思い出すだろう。





***




フェリー乗り場の入口近くで、館山道に乗るなおネィさん、うっちーさんと別れ、
単二さん、maniさんとフェリー乗り場へ。

乗船前に土産物売り場を見てみると、意外にも落花生関係はここが一番充実していた。
道の駅などで探しても見つからなかったピーナツバターも二種類あって、かなり悩んだ末、瓶入りの方を買う事に。
そんなことで悩むくらいなら両方買え! と後から思ったので、今度行ったらそうします。

さすがに夕暮れの海上はやや肌寒くて、行きのようにデッキで、という訳にもいかず。
船内の窓辺の席で、すこしずつ暗くなっていく空を見ていた。

と、久里浜に近づくにつれ、灰色に煙っていた空がだんだん染まってきたじゃないか。

かすかに赤く.jpg

やがて広がる.jpg

Last show.jpg

内房の陸路を走っている二人は、どの辺りで気が付いたろう?
最後の最後にこんな空が見られるとは思ってもみなかった、出来過ぎの夕焼け。

接岸間近.jpg



 「またどこかで。」

 「ぜひ。」

短い挨拶の後、横横道へ乗るお二人と別れて横須賀へ。





***




横須賀駅の近くに取った宿に着いたのは、知らせておいた時間をやや過ぎた6時半頃。
頭に入れてあった場所を探してもどうも様子が違っていて、電話して聞いてみたら
こちらが勘違いしているのがわかった。
ナビはお持ちじゃないですか、などと言われるが、お持ちだったら聞かないってば。

TDMのねぐら.jpg

安いビジネスホテルのつもりで予約したその宿は、着いてみるとバイク旅で泊まるには
もったいないようなホテルだった。
警備員のような制服を着た係員に階層式のパーキングを案内されて、
荷物を降ろすとポールとチェーンで仕切ってくれる。
24時間常駐しておりますので、お出かけの際はお申し付けください、だって。

フロントはどこ?.jpg

しかもロビーが広くて迷子になる(汗)
どこだよ、フロントは…。

昭和モダン.jpg

ただし建物自体はそう新しくもないようで、ベッドサイドにはこんな仕掛けが。
電源スイッチの穴に突っ込んであるのは、ルームキーのキーホルダー。
これくらいアナログな方が、なんとなく安心(笑)



横須賀に泊まるなら、夜はドブ板のバーの米兵にケンカを売りにぜひ、と、
単二さんからステキな提案を頂いていたが、そこまで付き合ってくれるならともかく、
ご自身はとっとと帰っちゃったので今回はパス。

ホテルの近くにあった、映画のセットのような路地でうどん屋さんを見つけたので
そこへ入ってみた。

通りを抜けると横須賀駅.jpg

定食な気分.jpg

頼んだのはなぜかカニクリームコロッケ定食。
なんだかご飯が食べたかったのだが、コロッケもおいしくて良かった。
今回は食べ物も満足度が高くてうれしい。


あとは部屋に帰って、時々つぶやいたりしながらベッドへ。

いい一日だった。

今日一緒に走った人たちと、ここへ向かわせてくれたなにかの神様に、感謝。


 


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コメント 7

mani

「1、2、3人。」の続きは「4台、5人。」かなと予想しつつ、
それだと3日目につなげられないよな、とかとかムダ思考。
まったく、とっとと帰っちゃってすみません(笑)。

「この曲を聞く度に今日のことを思い出すだろう」(意訳)
というYASHさんの台詞は、今回のツーを語るまさに名言。
おかげさまで動画のBGMに悩まなくて済みましたb

またどこかで。そう遠くないうちに^^
by mani (2010-11-22 09:27) 

NO NAME

>ふと漂う沈黙の後ろで流れていた曲をこれから耳にする度、
私はこの日、ここで4人と過ごした事を、走った道を鮮やかに思い出すだろう。
うまいな。
ワタシもそこ、ツボです。

沈黙…ね。
考えてみれば、
ひとりひとりはそんなに饒舌なキャラ(素面限定)じゃ
ないもんなぁと思ったり(そうか?^^;)
そうはいっても初めての組み合わせチームだと思ったり。
いついつまでも心に脳裏に残像が残るひとときでした。

警察車両に挟めちゃってごめんなさい。
作戦だったとは言え(ウソだぉ)…。
by NO NAME (2010-11-22 10:46) 

HIRO

こんにちは。
確かに海ほたるも出来た時には(通行料が高い性もあって)ガラガラなただのPAみたいでしたが、今は…(笑)
シラハマアパートメントのカフェも岬も場所は押さえてあるけど?今度行こうと思いつつ(爆)

金谷港の隣にある「The Fish」は開いてる時なら、お土産は充実していると思います。
中にあるバームクーヘン屋さんも以外とお勧め。
個性的なバイク達での内房ツー、天気が今ひとつだったのは残念でしたが、又おいで下さい。
by HIRO (2010-11-22 11:04) 

rascal

インディアンの歌は地域的な問題は関係無いですよ(笑)
だって元がアメリカの曲だから!
嘘だと思ったら地元でリサーチしてくださいね。
ワンリトル・ツーリトル・スリーリトルインディアン ♪・・・
テンリトルインディアンボーイズ
たぶんフォークダンスの曲じゃないかな?

金谷のみやげ物売り場 たしかにあそこは良い!
by rascal (2010-11-23 04:13) 

うえいぱうわ

染まっていく空っていいなあ、これは見てみたい
ですが、こればかりは日頃のおこないがモノを
言うのかも(笑)
気の合う仲間っていいですね。



by うえいぱうわ (2010-11-23 10:39) 

McCoy

maniさんの動画のファーストシーンで警察車両に護衛されていたのは、
そっくりさんじゃなくてホンモノのYASHさんだったんですね(笑)

アクアライン、海ほたる、某林道、白浜のカフェ、岬、
そしてフェリーからの素敵な夕日というオプション付き!
知る人ぞ知る房総ゴールデンコースを満喫されたようで何よりです^^
ってか、羨ましいな〜!僕も案内して欲しい^^ゞ
by McCoy (2010-11-23 13:08) 

YASH

★皆さん、お返事が遅れてしまってごめんなさい。

★maniさん
いえいえ、あそこまでご一緒頂けただけで大助かりでした。
ドブ板は次回のお楽しみということでb

あの時流れていたのがyellow submarineだったりしたら、
もう少し違った展開になっていたでしょうね(笑)
なにもかもが成るべくして成ったような一日でした。

続きますよね、そんな日が。

★NO NAMEさん
うん。
でも読み返すと、もうちょっとシンプルでクールな言い回しを
するべきだったかな、なんて思ったりもします。
気持ちを表すのって難しい。

沈黙にもいろいろあるけど、あのときは
絶妙な“間”だったように思えます。
あれが今回のツーリングの核だったのかも。

>警察車両
あれって作戦だったんですねー、なるほど。
じゃあ私もなにか考えておかなきゃねぇ(笑)

ところで今回はあえてNO NAMEさん?

★HIROさん
朝9時前でもかなりの人出でした。
日曜の午後なんて凄そうですね。

日中は曇り空だったけど、そのぶん思いがけない夕焼けには
ぐっときましたよ。
房総、また行きたい所になりました。

★rascalさん
いや、インディアンの歌は知ってるけど、
それがすぐ出てくるのが自分とは違うなぁって事さ。

久里浜の乗り場はそれほどでもなかったのにね。
結局最後に欲しかったものが買えたから、
ちょうど良かったです。

★うえいぱうわさん
日頃の行いが良かったら日中も青空の上、夕焼けも真っ赤に一票。
晴天率高い人達なのに、私が雲を連れてきちゃったなー、なんて
思ってました。
でも終わってみれば、諸々結果オーライですね。

★McCoyさん
護衛というか連行というか(笑)

皆さんのおかげで走ってよし、止まってよしの一日でした。
この日はタイミングが合わなかったけど、きっとまた歯車が
噛み合う日も来るはずです。
その時はぜひDと一緒に!

by YASH (2010-11-24 22:12) 

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